試合レポート

横浜商大高vs横浜翠嵐

2019.08.18

横浜翠嵐打線の勢いを止め、横浜商大高が8回コールド発進

 昨日、今夏の神奈川県代表として甲子園に出場した東海大相模。惜しくも中京学院大中京に敗れたが、ベスト16と好成績を残した。依然、神奈川の高校野球の高さを全国にひろめることに。

 そして、本日からはセンバツに向けた予選リーグが開催され、各校しのぎを削る戦いが始まった。Cグループでは、予選会場の横浜商大高をはじめとする、松陽横浜翠嵐横浜平沼の4校が県大会出場を目指して戦いの火ぶたが切られた。

 第一試合は横浜商大高vs横浜翠嵐の一戦。
試合は、序盤から流れが行ったり来たりの乱れる試合展開となる。横浜商大高の先発マウンドには、エース右腕の黒田剣伸があがった。黒田は、立ち上がりから制球が収まりつかず、3四球を与えるも無失点で初回を凌ぐ。続く2回には、先頭の7番・上田に四球を与えると3連打を浴びるなどし、4点を先取される展開となる。

 横浜商大高は、2回裏に1点を返すも3回表に再び横浜翠嵐打線が襲い掛かる。先頭の6番・濱田にヒットを許すと、8番・今井にもヒットが飛び出し二死二、三塁のピンチを招く。ここで、1番・山中の右中間を真っ二つに破るタイムリースリーベースで、7対1と一気に横浜商大高を突き放す。横浜商大高ベンチは、先頭のエース黒田を諦め2番手に赤間を送る。右のスリークォーターからストレートとスライダーを両サイドに集める投球が持ち味。黒田の時には見られなかった、テンポの速い投球が横浜商大高打線に勢いをつけることになる。

 3回裏の横浜商大高の攻撃。先頭の5番・平田創がレフト前にヒットを放つと、続く6番・平綿来輝などの後続も出塁。相手の四球も絡み、打ちあぐねていた横浜翠嵐の先発・大崎を捉え7対7の同点に追いつく。

 打線の中でも、周りの打者に比べて抜きにでるセンスを感じたのが6番の平綿来輝だ。1年生ながらスタメン出場し、鮮やかなセンター前ヒットで
出塁してみせた。周りと何が違うのか。それは、タイミングの取り方やバットの扱い方に大きな違いがある。バットを顔前で揺らしながらタイミングを計ると、一本の棒ではなくゴムのようにしならせて打球を運ぶことが出来るという技術。横浜商大高の各打者は、バットが振れてはいるがアジャストしきれていない打者が多く見受けられた。しかし、まだ1年生というだけあって線が細い。この平綿が中軸に座るようになれば、横浜商大高打線の爆発力は他を圧倒するものとなるだろう。

 その後、試合は途中出場の背番号13の伊藤と6番・平田にホームランが生まれる結果となり、15対8の8回コールド勝ちを横浜商大高が収めた。

横浜商大高は、よく序盤の劣勢を跳ねのけて勝ったといったところだろう。先発したエース黒田は、2回2/3で被安打7と与四球4と課題の残る結果となってしまった。そこを上手く2番手の赤間や打線がカバーした結果に。打線の軸としては、3安打を放った6番・平田と7番・平綿がポイントとなっていきそうだ。そして、3番・武藤航はミスショットが目立ったが旧チームから活躍した主軸として次戦に期待したい。

 敗れた横浜翠嵐だが、横浜商大高と同様に四球やエラーからの失点が敗戦を招いてしまった。県内屈指の偏差値を誇る横浜翠嵐だが、序盤の攻撃力は目を見張るものがあった。俗に言う、一度流れに乗ったら止まらない打線といった印象。それだけに守備力の強化が課題となっていく。エースの登板がなかったので、残りの2戦に期待したいところだ。

(記事=編集部

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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