試合レポート

近江兄弟社vs長浜北星

2019.07.13

延長10回の激戦は近江兄弟社が制す!

 秋準優勝の近江兄弟社に対して果敢に食らいついた選手17人の長浜北星。試合は延長までもつれる大熱戦となった。

 中盤までは近江兄弟社が優位に試合を進める。3回表に一死三塁から1番・大橋青宙(2年)の中前適時打で1点を先制。さらに一死満塁とすると、4番・横井覚(3年)が左翼方向へ特大の満塁弾を放ち、5点のリードを奪う。

 さらに5回表には二死三塁からまたしても横井が中越え適時二塁打を放ち、リードを6点に広げた。近江兄弟社先発の菊地凜(3年)は捕手の杼木悠人(3年)が「いいボールが来ていた」と話すように6回まで無失点に抑える好投。このまま近江兄弟社が悠々と逃げ切ると思われた。

 しかし、7回表に近江兄弟社が無死満塁の好機を生かせず、コールド勝ちのチャンスを逃すと、流れが一気に長浜北星に傾いた。

 長浜北星は7回裏に一死一、三塁のチャンスを作ると、2番・北川直人(2年)の犠飛でまず1点を返す。続く3番・山本悠太(3年)も左前安打で続いて一、二塁とし、4番・野本健太(2年)の左前適時打で4点差。さらに押し出し死球と7番・仲井脩二(3年)の左前2点適時打で追加点を奪い、1点差にまで詰め寄った。

 9回裏には四死球で一死一、二塁と同点のチャンスを作ると、6番・竹本奨之助(3年)が右前適時打を放ち、二塁走者が生還。同点としてなおも一死一、三塁とコールド負けの危機から逆に一打サヨナラのチャンスを掴み取った。

 しかし、ここで近江兄弟社バッテリーも冷静だった。「変化球で交わすよりもストレートで押す方が抑える可能性は高いと思った」と杼木はストレート中心の配球で攻めると、後続が菊地の高めのストレートに対して対応できず、二者連続三振。近江兄弟社がサヨナラ負けの危機を凌ぎ、試合は延長戦に突入した。

 窮地を脱した近江兄弟社は10回表に打線がつながった。一死から8番・金綱佑亮(3年)、9番・遠藤宥斗(3年)、1番・大橋と3者連続三塁打が飛び出し、リードを奪うと、2番・城本康士朗(3年)のスクイズでさらに1点を追加。3点リードで10回裏の守備を迎えた。

 だが、長浜北星も粘り強かった。二死二塁から3番・山本悠の適時三塁打で1点を返すと、続く野本も中前適時打を放ち、1点差。またしても近江兄弟社を追い詰めた。しかし、最後は5番・小松開人(2年)が二塁ゴロに倒れて試合終了。苦戦を強いられながらも近江兄弟社が何とか初戦を突破した。

 敗れた長浜北星だが、終盤の猛追は見事だった。2年前の夏に8強入りしたが、今年の新入部員はマネージャー1人のみで選手の加入は0。湖北地区の人口減少に加え、他地区の高校に選手が流れる煽りを受ける形となった。

 その中で私立の強豪校と互角の勝負をできたことは長浜北星の未来に繋がるはず。鈴木克昌監督は「私立に行かなくても湖北で十分に戦えるんだよということをアピールできたんじゃないかと思います」と今後の部員増に希望を見出していた。新チームは2年生11人で始動する。少ない人数だが、この試合の経験を糧に上位進出を目指して夏の練習に取り組んでほしい。

(文:馬場 遼

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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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