試合レポート

京都両洋vs京都廣学館

2019.07.08

7点差を追いついた京都両洋が延長12回サヨナラ勝利

  

 京都両洋京都廣学館は延長12回までもつれる大熱戦。7点差を追いついた京都両洋がサヨナラで3時間45分の死闘を制した。

 前半は京都廣学館が主導権を握っていた。1回裏に京都両洋の主将で3番の公庄勇斗(3年)に2ランを浴びて先制点を許したが、2回表に8番・折戸宏光(3年)の左前適時打と9番・田中郁樹(3年)の左中間を破る適時二塁打で同点に追いつく。

 これで勢いに乗った京都廣学館は3回表にも相手のバッテリーミスと6番・立木悠也(3年)のライト線への適時二塁打で2点を勝ち越す。その裏に1点を返されたが、試合は京都廣学館ペース。4回表にも5安打5得点の猛攻を見せた。

 4回までに3投手を使って9失点と苦しい戦いを強いられた京都両洋。流れを食い止めるべく5回表に投入されたのが、背番号7をつけた左腕の三淵柊太郎(3年)だ。春まではエースナンバーを背負っていたが、不調で今大会はエースの座を奪われていた。三淵は代わり端の5回こそ1点を奪われたが、6回以降はストレートとスライダーのコンビネーションが冴え、追加点を許さない。

 5回を終えて7点ビハインドとコールド負けがチラつく展開となった京都両洋だが、6回裏に猛反撃を見せる。二死満塁から1番・都築海人(3年)の左前適時打で1点を返すと、続く2番・竹松秀太(3年)がライト線への2点適時二塁打を放ち、4点差とする。さらに満塁となって4番・菊地圭佑(3年)がライトオーバーの走者一掃となる適時三塁打を放ち、とうとう1点差にまで詰め寄った。ここまで粘り強く投げていた京都廣学館のエース・折戸だったが、ここで降板。折戸はレフトに回り、2番手に左腕の大川竜弥(2年)がマウンドに上がった。

 これで流れは一気に京都両洋へ。8回裏に先頭の都築が相手の失策で二塁に進むと、京都廣学館はショートの谷口虹介(2年)をこの場面でマウンドに送る。代わった旅口に対して京都両洋は竹松のセンターフライで走者を三塁に進めると、一打同点の場面で当たっている公庄がこの日3安打目となる左前適時打を放ち、ついに同点に追いついた。

 9回以降は互いに譲らないシーソーゲームとなる。京都両洋の三淵が好投を続けると、京都廣学館も大川と谷口が粘り強く投げて相手に決勝点を与えない。

 決着がついたのはタイブレーク突入かと思われた延長12回裏だった。この日2度目のマウンドに上がっていた谷口に対して京都両洋は一死から竹松が左中間を破る二塁打で一打サヨナラのチャンスを作る。ここで京都廣学館は続く公庄を敬遠して4番・菊地との勝負を選択。この場面で「絶対に打つという気持ちでいきました」という菊地が1ボール2ストライクから左中間への長打を放って、竹松が生還。サヨナラ勝ちで京都両洋が初戦を突破した。

 公式戦でのサヨナラ打は秋の乙訓戦に続いて2度目だという。ここ一番で抜群の勝負強さを見せた主砲は「次も打ちます」と高らかに宣言した。

 4月に就任した京都両洋の壺内雄大監督はこれが夏初勝利。高校時代は愛媛・今治西で義足の三塁手として話題になった曽我健太さんの控え三塁手として2003年夏の甲子園に出場している。龍谷大では準硬式野球部で活躍。大学卒業後は一般企業で働きながら草津シニアのコーチとして奥村展征(ヤクルト)、真大(龍谷大平安)兄弟らを指導していた。2年前に京都両洋のコーチとなり、今年度から指揮を執っている。「よく頑張ってくれました。あれだけの点差を跳ね返して自信になったので、緊張から解き放たれてやってくれると思います」と次戦以降に期待していた壺内監督。7点差を逆転した勢いで快進撃を続けたい。

(文:馬場 遼

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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