市立船橋vs船橋北

適時打を放つ清水裕希（市立船橋）

　昨秋、ベスト32の市立船橋が初戦を迎えた。相手は船橋北だ。　　

　両校無得点で迎えた2回裏、市立船橋は5番鍵本太聖がライト線を破る二塁打でチャンスをつくり、6番清水裕希はレフトへクリーンヒット。外野守備が深めの位置をとっていたこともあり、鍵本は生還。さらに7番甲斐一之進の右前安打でチャンスを作り、8番金子のスクイズで1点を追加。さらに満塁のチャンスから敵失や3番大森のポテンヒットなどもあり、一気に5点を追加。

　さらに3回裏にも金子のスクイズや二死二、三塁から9番菅谷のセカンド強襲の適時打で2点を追加して、8対0と大きく点差をつける。4回裏にはも1点を入れた。

　強打、スクイズなど硬軟織り交ぜた攻めで、着実に追加点を入れた市立船橋。その中でピックアップしたいのが6番清水だ。恵まれた体格をしていて、パワフルなスイングから放たれる打球の速さは素晴らしい。第1打席は左前適時打、第2打席は右中間を破る二塁打、第3打席もカーブを捉えて右中間を破る二塁打と素晴らしい活躍を見せた。

　清水はポイントが広い右打ちの強打者。レフトだけではなく、かわしにいこうとした変化球に対してもしっかりと呼び込んで逆方向へ長打にすることができる。県大会まで勝ち進めば、注目の強打者になるのではないだろうか。桜内監督によると、「6番ではあるのですが、飛ばす能力は非常に高い選手です。ただ確率が低いので、6番を打っているのですが、この試合に限ってはうまく当たってくれたと思います」と評価した。これでまだ2年生というのだから楽しみしかない。清水は名門・佐倉リトルシニア出身で習志野の角田勇斗や度会 隆輝と同期ということになる。この世代の佐倉リトルシニアはどれだけ逸材がいるのだろうか…。

　投げてはエース金子が好投。もともと内野手で、野球センスも高く、「打撃もよく、投打で活躍してくれます」と桜内監督からの評価も高い投手。右オーバーから振り下ろす直球は常時125キロ～128キロだが、球速表示以上に勢いを感じさせる球質で、スライダー、カーブの精度もまずまずで5回1失点の好投を見せた。

　5回裏、市立船橋は2番森雄輝の適時打と3番大森が捉えた打球はライトの頭を超え、さらに中継が乱れる間に森が生還し、11対1と5回コールド勝ちで退けた市立船橋。県大会出場。そして夏のシード入り獲得へ向けて、各選手の状態を高めていきたい。

（文・写真＝河嶋宗一）