松山聖陵vs志度
松山聖陵、腰を据えて戦い志度に7回コールド勝ち!
折田 玲(松山聖陵)
「彼は打たれそうで打たれない」。1回表に志度・開 貴斗(2年・171センチ62キロ・右投右打・高松市立牟礼中出身)の投球練習を見るなり、新鞍 幸一監督が組み合わせ抽選会で発した弁が頭に浮かんだ。ストレートの球速は120キロながら、真横に曲がるスライダー、シンカーと球速帯はほぼ同じ。対戦相手が見極め方を誤れば打ちあぐねるタイプであることは明白であった。
しかし、春夏一度ずつの甲子園指揮も経験している荷川取 秀明監督率いる松山聖陵は一枚上手だった。指揮官はこの試合にあたり低めを捨てさせた上で「外から入ってくるスライダーを左中間に叩く」を選手たちに指示。しかも連打の後、一死二・三塁から4番・折田 玲(2年・中堅手・170センチ64キロ・右投左打・美蹴館ヤング<兵庫>)の二塁ゴロで先制した初回は引っ張り一辺倒の布石を打った上で、2回以降からは作戦を当初予定通りに組み替えた。
結果、志度・開は4回で7四死球と大きく制球を乱すことに。松山聖陵はそこに乗じ2回表は折田の左中間2点三塁打などで6点・3回表は1点・さらに4回表も1番・大村 侑希(2年・一塁手・185センチ85キロ・右投右打・松山市立雄新中出身)の右前適時打などで3点。計13安打4盗塁11得点で志度を圧倒した。
対する志度も俊足リードオフマンの田村 大樹(2年・中堅手・172センチ64キロ・左投左打・三木町立三木中出身)が3回表に鎖骨骨折で退くアクシデントに見舞われながらも奮闘。3回裏には一死一・三塁から5番・國本 亮平(2年・三塁手・166センチ81キロ・右投右打・さぬき市立さぬき南中出身)が放った左中間2点二塁打などで3点を返したものの、松山聖陵の先手を打つ継投策に最後はかわされてしまった。
こうして聖カタリナ学園相手に初回の大量失点で7回コールド負けを喫した愛媛県大会準決勝の反省を、腰を据えた7回コールド勝ちにつなげた松山聖陵。2年連続センバツ出場までの道のりは「あと2勝」である。
(文=寺下 友徳)