八戸学院光星vs花巻東
復帰戦で大仕事をやってのけた太山皓仁の活躍で5年ぶりVに王手!
大仕事をやってのけた太山皓仁(八戸学院光星)
八戸学院光星は3回、先頭の八番・太山皓仁捕手(2年)がライトスタンドへソロ本塁打などで5点先制。7回には押し出し、8回には六番・下山昂大内野手のタイムリー二塁打で得点を重ねた。
先発の後藤丈海投手(2年)は後半、花巻東打線の追い上げにあったが、9回を9安打3失点。142球で完投。3年ぶりの決勝進出を果たした。
「直球が甘いので、その直球を一発で仕留める。そういう気持ちだった」と花巻東の先発・西舘勇陽(2年)の直球をジャストミート。会心の一発に、「打った瞬間ガッツポーズしようかと思った」というほど、太山は喜んだ。打順は八番だが、調子の良さは感じていた。仲井宗基監督も、「練習から良いスイングをしていたので、本塁打は思いがけない結果だったが、チャンスメイクはしてくれると思っていた。大きな一発だった」と讃えた。
背番号20。実は指揮官は、「ベンチ入りをどうしようか」と熟考した東北大会だった。理由は青森大会でのケガ。1回戦での守備で、相手打者のファウルチップが急所を直撃。捕手用のファウルカップが真っ二つに割れたほどだったという。「2回戦は翌日だったので病院に行けず、試合に出ましたが、翌々日に学校に行った際、席に座れないくらい痛かった」と太山は衝撃を少し恥ずかしそうに振り返る。病院に行くと、「すぐに手術だ」と言われたそうだ。
入院したため、3回戦からベンチに入れなかった。チームメートからは、「必ず東北大会に連れていく」とメッセージがおくられ、励みになった。青森大会でつけていた背番号12のユニフォームを、優勝した際にチームメートが持って喜んでくれたことも知っている。連れてきてもらった東北大会に、開幕3日前に合流。背番号20ながら、正捕手と復活した。ぶっつけ本番で大きな働きをやってのけた。
準決勝を突破し、5年ぶりの東北大会優勝へあと1つ。仲井監督は試合後、応援団への挨拶をすると、すぐにナインを集めてミーティングをした。
「まずはナイスゲーム。でもお前たちの目標は何だ。神宮へ行くと言っているのだから、(今日は)リセットして、明日勝ちにいくぞと言いました」と指揮官。明治神宮大会出場を懸けて、盛岡大附と対戦する。
(文・写真=松倉 雄太)