試合レポート

近江vs高知商

2018.10.03

近江のスーパー1年生・土田龍空が攻守で躍動!

近江vs高知商 | 高校野球ドットコム
攻守で躍動する土田(近江)

 甲子園でも強打を発揮した高知商。国体でも試合序盤は高知商らしい野球だった、近江の先発・松岡裕樹(3年)の甘く入った直球に狙いを定め、1番・前田 貴友(3年)の安打、2番藤田 昂志郎(3年)の適時二塁打とわずか4球で先制。さらに5番山崎 大智(3年)の適時打で2点目。そして2回裏、2番藤田の適時打で3点目を入れ、高知商がリードを広げた。
 

 先発の北代 真二郎(3年)も甲子園に比べると力強いピッチングだった。常時135キロ~142キロの直球は甲子園より勢いがあり、130キロ前後のカットボール、100キロ台を割るカーブ、110キロ台のカーブと投げ分けながら近江打線を7回まで無失点に抑える完璧なピッチングを見せていた。だが、近江も先発の松岡が持ち直す。持ち直すことができた要因は近江の堅い守備陣にある。その中でも一際目を引いたのは1年生ショート・土田龍空の守備である。

 多賀章仁監督は「身体能力が素晴らしい。入学した時、守備を見て、すぐにレギュラーで使おうと思いました。うちにはプロ入りした植田海(阪神)がいますが、植田よりもワンランク上」と絶賛するほどだ。

本人は「持ち替え、守備範囲、一歩目の速さには自信あります」とショートに必要なスキルを自信あると答えるように、出足から違う。前の打球に対しては簡単に追いつき、さらには、センターへ抜けそうな打球に対しては、シングルハンドで追いつくなど、スピードが違う。

 守れると攻撃にリズムが出てくる。近江は8回表に反撃開始。瀬川純希(3年)の2ラン本塁打を放ち、2番木村 龍之介(3年)の適時打で追いつくと、打席に立ったのは土田。カーブを振り抜いた打球は勝ち越しの適時二塁打をなり、その後、中大表明した北村恵吾(3年)の適時打で5対3とした。その後、本塁打で1点差に迫られたが、9回表にも9番瀬川の適時打で1点を追加して、6対4と再び2点差とした。

 そして9回裏二死。再び土田のもとに打球が襲う。土田の手前で大きくバウンドした打球を捕球。アウトにならなかったが、観客はざわついた。多賀監督も「アウトにはならなかったのですが、あのプレーはすごかった。教えてできるものではないですし、あれはセンスですね…」と絶賛するプレーに、土田は「バウンドする打球に対しては、同バウンドするのか、そのラインを予測してグラブを出します」というが、簡単な技術ではない。やはり天性のものがあるのだろう。

 近江は3投手のリレーで逆転勝利で準々決勝進出を決めた。土田は「まだ3年生たちと一緒にプレーできてよかったですし、今も秋の大会の途中ですけど、打撃の調子を落としていたので、この結果を機に調子を挙げていきたいです」と国体後の県大会も見据えている。

 多くの方を驚かせたスーパー1年生・土田。ショートを始めたのは中学2年生とまだ経験は浅い。
「自分はあまり緊張しない」という強心臓のショートストップはどんなプレーを表現するのか、次の日大三戦も見逃せない。

(文・河嶋宗一 写真・中谷明

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

関連記事

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.04.27

【京都】龍谷大平安、京都成章、北嵯峨などが2次戦進出戦に挑む<春季大会>

2024.04.27

【大阪】3回戦は28日に大阪桐蔭、履正社が登場、29日には上宮-関西創価など<春季大会>

2024.04.27

横浜に入学した「スーパー1年生5人衆」に注目せよ! 佐々木朗希二世、中学日本代表の二刀流など明日の慶應戦で活躍なるか!?

2024.04.27

【広島】広陵は瀬戸内と、広島商は崇徳と夏のシードをかけて激突<春季県大会>

2024.04.27

【滋賀】シードの滋賀学園、彦根総合が登場<春季県大会>

2024.04.23

【大学野球部24年度新入生一覧】甲子園のスター、ドラフト候補、プロを選ばなかった高校日本代表はどの大学に入った?

2024.04.23

【全国各地区春季大会組み合わせ一覧】新戦力が台頭するチームはどこだ!? 新基準バットの及ぼす影響は?

2024.04.24

春の埼玉大会は「逸材のショーケース」!ドラフト上位候補に挙がる大型遊撃手を擁する花咲徳栄、タレント揃いの浦和学院など県大会に出場する逸材たち!【春季埼玉大会注目選手リスト】

2024.04.22

【和歌山】智辯和歌山、田辺、和歌山東がベスト8入り<春季大会>

2024.04.22

【九州】神村学園、明豊のセンバツ組が勝利、佐賀北は春日に競り勝つ<春季地区大会>

2024.04.23

【大学野球部24年度新入生一覧】甲子園のスター、ドラフト候補、プロを選ばなかった高校日本代表はどの大学に入った?

2024.04.23

【全国各地区春季大会組み合わせ一覧】新戦力が台頭するチームはどこだ!? 新基準バットの及ぼす影響は?

2024.04.05

早稲田大にU-18日本代表3名が加入! 仙台育英、日大三、山梨学院、早大学院の主力や元プロの子息も!

2024.04.02

【東京】日大三、堀越がコールド発進、駒大高はサヨナラ勝ち<春季都大会>

2024.04.12

東大野球部の新入生に甲子園ベスト4左腕! 早実出身内野手は司法試験予備試験合格の秀才!