試合レポート

大阪桐蔭vs沖学園

2018.08.13

大阪桐蔭が根尾、藤原のホームランなどで沖学園に大勝! 救援の柿木は151キロのストレートで甲子園を沸かせる!

大阪桐蔭vs沖学園 | 高校野球ドットコム

 第100回全国高校野球選手権大会の9日目。第1試合はロースコアの接戦で1回戦を勝ち上がった大阪桐蔭(北大阪)と、活発な打線が15安打を放った沖学園(南福岡)が対戦した。

 春夏連覇を狙う大阪桐蔭に対し、春夏通じて甲子園初出場で初勝利を挙げた沖学園が挑む一戦。

 初戦は共にエースの完投で勝利を挙げた両チームだったが、今試合は大会初登板となる投手が先発のマウンドに上がった。大阪桐蔭根尾 昂(3年)は初回こそ、140キロ中盤のストレートと得意のスライダーで3者凡退と無難な立ち上がりを見せたが、2回表。4番・吉村 脩希(3年)に三塁線を破られるツーベースを打たれると、二死後、沖島 和樹(3年)にはアウトローのストレートをライトへ弾き返され一三塁。ここで8番・三浦 慧太(3年)へ投げた4球目のストレートが高めに抜けて暴投。三塁走者がホームインし思わぬ形で先制を許した。

 沖学園の先発は186cmの長身右腕・石橋 幹(3年)。得意のツーシームと140キロを超えるストレートで強力・大阪桐蔭打線を3回まで0点に抑えていたが、4回裏。この回先頭の中川 卓也(3年)に左中間二塁打を打たれると、藤原 恭大(3年)にも左中間へ適時二塁打を打たれて同点。なおも四球と送りバントで一死二三塁とされると、今度は石橋が暴投してしまい大阪桐蔭が逆転に成功した。

 ただ、沖学園も黙ってはいない。5回表、6番・森島 渉(3年)が142キロの高めに浮いてきたストレートを豪快にスイング。これがレフトポール直撃のソロホームランとなって同点。その後、両チームともに1点ずつを取り合って6回裏の大阪桐蔭の攻撃。沖学園の2番手・斉藤 礼(3年)に対し、二死走者なしから石川 瑞貴(3年)、小泉 航平(3年)の連打と死球で満塁とすると、1番・宮崎 仁斗(3年)がインコース高めに浮いてきたストレートを振り抜きサード強襲の内野安打。これで勝ち越すと、さらに青地 斗舞(3年)はアウトローのチェンジアップに逆らわずレフトへ2点適時二塁打。7回裏には根尾が甘く入ったストレートをバックスクリーンへ打ち込むソロホームランで、大阪桐蔭が8対3とリードした。

 沖学園も8回表に阿部 剛大(3年)がインコースのスライダーをレフトへホームラン。その後もヒットと四球でチャンスを作ったが、5番・吉田 圭吾(3年)は根尾の146キロの内角ストレートに詰まらされ遊ゴロ。そして、その裏には藤原に2ランを打たれてダメ押しされ、結局、大阪桐蔭が10対4で沖学園を下した。


 大阪桐蔭は注目の選手たちが前評判通りの実力を見せた。根尾は8回まで投げて7奪三振。やや制球に甘さがあり2本塁打を浴びて4失点だったが、140キロ後半を記録したストレートには伸びがあり、打ってはバックスクリーンへ打ち込むホームランと投打の二刀流で結果を残した。9回の1イニングを投げた柿木 蓮(3年)は最速151キロのストレートでスタンドを沸かせるなど、直球はすべて145キロ以上を記録。スライダーも効果的でアウトはすべて三振で奪った。藤原は1点ビハインドの2打席目、アウトローの真っすぐをコンパクトに振り抜き左中間へ適時二塁打。4点リードの5打席目には外寄りのストレートをフルスイングし逆方向のレフトへホームランと、シチュエーションによってスイングを使い分け2本の長打でチームの勝利に貢献した。

 沖学園大阪桐蔭にリードを奪われても2度追いつき、点差を付けられてからも最後まで諦めない姿勢を見せて奮戦した。特に、4番の吉村を中心にホームランを放った阿部、森島など物怖じしないスイングを見せた打線は見事だった。投手陣では石橋が手元で変化するボールで持ち味を発揮。斉藤も球威がないなか緩急を使った苦心の投球を見せたが、低めのコースへ投げた変化球も捉えられてしまい打つ手なし。大阪桐蔭の打線が一枚上手だったと言えよう。

 初戦の鬱憤を晴らすように13安打で10得点を奪った大阪桐蔭。3回戦は大会12日目の第4試合で佐久長聖(長野)と高岡商(富山)の勝者と対戦することが決まっている。

 

(記事=文:大平 明

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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