試合レポート

旭川大高vsクラーク記念国際

2018.07.21

旭川大高が甲子園一番乗り!エース・沼田が好投手対決を制して完投勝利!

 北北海道大会は、全国で最初の決勝戦を迎えた。旭川大高にはプロ注目右腕の沼田翔平がおり、対するクラーク記念国際にも好投手左腕の安楽裕太郎がいる。好投手対決となった決勝は、両投手が前評判通りのピッチングを見せ、序盤から投手戦となった。

 旭川大高のエース・沼田翔平は、初回から安定した投球を見せる。140キロ前半のキレのある直球と、立てに割れていく変化球を中心にクラーク記念国際打線に的を絞らせず、5回までノーヒットピッチングを展開。「最速は146キロの速球派投手」という触れ込みのあった沼田だが、この試合では低めへの制球力が非常に際立っており、ストライク先行のピッチングでクラーク記念国際打線に全くスキを与えなかった。

 対するクラーク記念国際の左腕エース・安楽裕太郎も負けてない。130キロ後半の直球をスリー久ウォーターから小気味よく投げ込み、旭川大高打線から凡打の山を築いていく。安楽の良いところは、何と言ってもテンポの良さだ。投球間隔が非常に短く、相手に考えさせる暇を与えないので、リズム良くアウトを積み重ねていった。
 沼田、安楽の両投手の好投で、4回を終えた時点で両者無得点。甲子園への切符を懸けた一戦は序盤は投手戦となった。

 しかし5回表、遂に試合の均衡が破れた。旭川大高は、一死一、三塁のチャンスを作ると、ここで一塁ランナーの中筋大介が二塁の盗塁を仕掛ける。クラーク記念国際のキャッチャー・中村は二塁へ送球するが、これが悪送球隣となり三塁ランナーが生還。さらにその後も、相手のパスボールで1点を追加した旭川大高。相手の守備の綻びから2点を先制した。

 だが、後半に入った6回裏、今度はクラーク記念国際が反撃に出る。9番・小林琉生のセンター前ヒットから、一死三塁のチャンスを作ると、2番・山口覇瑠がセンター前へタイムリーヒットを放って1点を返す。さらにその後、一死一、三塁と再びチャンスを拡大すると、4番で主将の千葉慶大がレフトへ貴重な犠牲フライを放って、三塁ランナーが生還。試合は振り出しに戻り、勝負の行方は終盤までもつれる展開となった。

 決勝に相応しい好ゲームとなったこの試合だが、決着は8回に訪れた。
 旭川大高は、先頭の2番・高谷耕平がツーベースで出塁すると、3番・菅原礼央がレフト前タイムリーを放って勝ち越しに成功する。さらにその後、無死一、三塁とチャンスを広げると、5番・楠茂将太にレフト前タイムリー、7番・青木亮樹にも犠牲フライが生まれ、何とこの回3得点。5対2とリードを広げ、遂にクラーク記念国際を突き放すことに成功した。

 リードを奪った旭川大高は9回裏に1点を失ったものの、エース・沼田は最後まで気持ちを切らすこと無く投げ抜き、試合は5対3で旭川大高が勝利し、全国で最初の甲子園への切符を掴んだ。旭川大高が甲子園へ出場するのは、9年ぶり8回目となる。エース・沼田を中心に、旭川大高が甲子園でどんな戦いを見せることができるのか、注目していきたい。

(文=栗崎祐太朗

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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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