明星vs都立久留米西
背番号10の岡部幹太が作ったリズムで攻撃陣が奮起！
次第に陽射しが和らぎ暑さによる疲労感が無くなってきた第2試合。明星と都立久留米西のゲームは意外な形で試合の幕が開けた。
明星の先発は背番号10の岡部幹太は、都立久留米西の1番・今井舜二に初球をバットの先っぽに当てられ、レフト前に落とされたかと思った。だが、初球を投げる前に一塁塁審がタイムをかけていたため、まさかの仕切り直しとなる。サイレンの音が大きくコールが聞こえなかったとはいえ、この出来事には球場全体がどよめいた。
しかしこれに助けられたのはマウンドの岡部。都立久留米西1番・今井をレフトフライに仕留めると、2番・平野雅人、3番・富山倫太郎を内野ゴロに抑え、三者凡退の立ち上がりとなる。
2回は6番・多田夏士に二死からセンターにヒットを打たれるも、後続のバッターを抑えて、味方の援護を待つ明星・岡部。
しかし、その援護はすぐに訪れる。2回の攻撃、一死から5番・奥山大翔が右中間への二塁打でチャンスメイク。続く6番・中橋海志はサードゴロに倒れるも、7番・梅田桂吾は初球をセンターに弾き返し、二塁ランナー・奥山がホームイン。明星が二死から先制点を挙げることに成功した。
これでリズムができた明星打線は、3回の攻撃の先頭バッター、8番・渋谷翼と9番・岡部が四球を選んで追加点のチャンスを作る。このチャンスに、1番・坂本凌太郎は外角低めいっぱいの真っ直ぐをレフト線に打ち返す2点タイムリーで応える。
4回にも5番・奥山のセンターへのヒットを皮切りに3本のヒットを集めて2点を追加して5対0とした明星。
まずはランナーを溜めて1点ずつ返していきたい都立久留米西の反撃を明星は5回に受ける。
一死から6番・多田と7番・草彅遼馬の連続ヒットでチャンスを作られると、8番・江森聖斗のところに代打・川上拓也が告げられる。ここで一本出して、反撃の狼煙を上げたい都立久留米西。それを防ぎたい明星。
両校の想いが交差する中、川上が捉えた3球目は一、二塁間に飛ぶもヒットとはならず、二死二、三塁となる。明星ピンチであることは変わりなかったが、マウンド上の岡部は都立久留米西の9番・佐藤元紀をショートライナーに仕留めてピンチを脱する。
ピンチを脱した明星は直後の攻撃で、1つの死球を含む6者連続出塁などの猛攻で5点を奪って、10対0のコールドでの3回戦進出を決めた。
この試合を振り返ると、明星の岡部は5回まで投げ切ったが、四死球は1つもなく、外角中心の配球であくまでも打たせて取るピッチングで守備からリズムを作っていた。次戦以降も守備からリズムを作り、攻撃に繋げられるのか、注目したい。
（文＝編集部）
