試合レポート

安城vs猿投農林

2018.07.07

仕掛けたり仕掛けなかったり、試行錯誤で安城が3回戦へ

 前日来の雨は上がって、いくらか風は強いもののグラウンド状態は十分となったこの日の[stadium]刈谷球場[/stadium]。いよいよシード校登場である。

 昨秋の県大会で最後は東邦に敗れたものの、ベスト8へ進出して自信を深めた安城。今春もベスト16で東愛知のシード権を獲得した。シード校である以上、やはり初戦で簡単に破れるわけにはいかないし、ある程度先を見据えた戦いをしていかなくてはいけないという責任もあるだろう。

 ところが先制したのは猿投農林で2回、4番中村の中前打と野手のファンブルもあって無死二塁。内野ゴロで三塁へ進むと、日高の右前打で走者が帰った。しかし、その裏の安城はすぐに谷川恵一朗と白草の短長打に8番菅家の左犠飛で同点。さらに9番投手の豊島の二塁打も出て逆転した。

 それでも猿投農林も3回、一死一三塁から3番立野の中犠飛で同点とする。試合はシーソーゲームの様相を呈してきたが、安城は慌てなかった。その裏、一死から鈴木輝が三塁内野安打で出ると、すかさず二盗して、二死二塁となってから5番橋藤の中前打で再び安城がリード。さらに安城は4回にも先頭の8番菅家が二塁打するとバントで進め、内野ゴロGOの作戦が功を奏して杉浦拓のやや当たり損ない気味の投手ゴロだったが、これが野選を呼んだ。

 6回、7回にも安城は一三塁の好機を得たが、意図的に挟まれる重盗などを仕掛けいったが、いずれも猿投農林の村木捕手の冷静な判断に阻まれた。安城としてはやや策に凝り過ぎかなという印象もあったが、8回、二死走者なしから、8番菅家、9番伊藤友哉の連続二塁打で追加点。特に、策を講じずそのまま打たせたら得点といういささか皮肉なことにもなってしまった。それでも、逆転して4回からはエースの伊藤友哉を送り出したら、7回までは一人の走者も出さない好投で加藤友嗣監督の信頼に応えたのは見事だった。

 終わってみれば安城の勝ちパターンの継投がきっちりハマって勝ったということになった。それでも、猿投農林も守りで大崩れすることもなく、背番号4の丸山投手も終始冷静だった。それに、村木捕手はじめ冷静なプレーも随所に見られた。このあたりは、きっちりとしたチーム作りがされているのだろうなという印象を十分に見せてくれるものだった。

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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