試合レポート

日大三vs常総学院

2018.05.22

強打には強打を。日大三が4本塁打で常総学院を圧倒!

日大三vs常総学院 | 高校野球ドットコム
本塁打を打った菊田(常総学院)

 日大三常総学院の一戦。お互いが打撃力を発揮し、最後まで手に汗握る津打撃戦となった。

 日大三の先発は189センチの大型右腕・廣澤優(2年)。最速145キロを計測する大型右腕だが中1日の先発の影響か、ストレートがあまり走っていない。常時135キロ前後(最速140キロ)のストレートと120キロ前後のスライダーで投球を組み立てていったが、常総学院打線がすぐにアジャストした。

 1回表、一死から2番二瓶那弥(3年)が四球で出塁すると、3番斉藤勇人(2年)が右前安打を放ち一、三塁のチャンス。4番藤川寿真(3年)の三ゴロの間に1点を先制。

 2回裏、日大三の4番・大塚晃平(3年)の特大本塁打で同点にされるが、3回表、常総学院は5番菊田の犠飛で勝ち越しに成功。しかしその裏、日大三の4番大塚の犠飛で同点に追いつかれる。

 だが4回表、常総学院打線が本領発揮。7番叶野の左前安打、8番菊田の右前安打で無死一、三塁のチャンス。9番谷田部健太(3年)が右犠飛。勝ち越しに成功したかに思えたが、三塁走者のタッチアップが早く併殺に。だが、ここまで2試合連続本塁打を放っている1番水野の右中間を破る適時二塁打で勝ち越しに成功。2番二瓶も左前適時打で1点を追加し、4対2。

 ここで日大三は左腕・河村 唯人(3年)が登板する。しかし火がついた常総学院には投手が代わっても関係なかった。3番斉藤がレフトスタンドへ飛び込む本塁打で6点目。2試合連続本塁打を放った斉藤は185センチ85キロの大型スラッガー。タイプ的にはコンタクト能力をあげた細川成也明秀日立-横浜DeNA)といったところだろう。まだ2年生ということで、楽しみなスラッガーが出てきた。

 そして6回表、5番菊田拡和(2年)がバックスクリーン弾で1点を追加。菊田は182センチ88キロの体格といい、堂々とした立ち居振る舞い、広角に本塁打を打てるところは、まるで常総学院OBの内田 靖人(現楽天)を彷彿とさせる選手だ。


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同点本塁打を放ち、ガッツポーズの日置航主将(日大三)

 だが、これまで粘り強く勝ち上がってきた日大三は後半から本領を発揮する。6回裏、4番大塚が今度はバックスクリーンへ打ち込む2ランを放つ。大塚はこれまで外野手の間を抜く長打が多かったが、今日の試合で、日大三らしい4番打者へ成長した。日大三はさらに二死満塁のチャンスを作り、1番金子凌(3年)の適時打で5対7と2点差。

 そして7回裏、佐藤 コビィ(3年)のライトへの本塁打で同点に追いつく。日大三も常総学院に負けない本塁打攻勢で同点に追いついた。

 9回表、常総学院はバッテリーミスで勝ち越しに成功。
 9回裏、逆転サヨナラを目指す日大三は自慢の強打を再び発揮する。今年の日大三の精神的な支柱・3番日置が同点本塁打。この本塁打で日大三ベンチは大喜び。勢いに乗った日大三は一死満塁のチャンスを作り、8番高木 翔己(3年)のサヨナラの適時打で決勝進出を決めた。

 日大三は1回戦からどこも強敵ばかりで生き抜けない試合展開。それでも試合を制する地力の高さは本物だ。明日の決勝で5連戦。疲労が色濃い中、夏へ緊迫した試合ができているのは、大きな財産となっている。

 常総学院は選手たちの打撃レベルではなく、守備レベルも全国トップクラスだった。あとは、投手のレベルをどれだけ全国トップレベルまで持っていくことができるか。それができたとき、全国の上位を狙える戦力になっていくはずだ。

(文・写真=河嶋 宗一

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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