試合レポート

比叡山vs近江

2018.05.06

比叡山が6年ぶり13回目の優勝

比叡山vs近江 | 高校野球ドットコム
優勝した比叡山選手たち

 秋と同じ組み合わせとなった比叡山近江の決勝戦。秋は近江が7-2で勝利したが、今回は比叡山が序盤から試合を有利に進め、秋のリベンジを果たした。

 

 近江の先発は2年生の林優樹(2年)。比叡山は1回表に1番の中井斗咲(3年)が安打で出塁すると続く齋藤翔大(3年)も強行策が成功し、いきなり無死一、三塁とする。林は続く打者に四球を与えて満塁とすると、4番の勝皓辰(3年)にも四球を許し、押し出しで先制点を与えてしまう。その後も無死満塁のピンチが続いたが、林は冷静にアウトを重ね、追加点を許さない。

 

 比叡山の先発は左腕の勝。この日はスプリットを効果的に使い、6回までに許した安打はわずかに1本と完全に近江打線を翻弄する。

 

 追加点が欲しい比叡山は3回表に齋藤の安打と四球から二死一、三塁とすると6番の西田広樹(2年)が内野安打を放ち、1点を追加。リードを2点に広げ、試合を有利に進める。

 

 4回まで1安打に抑えられていた近江は5回裏に先頭の9番・浅野太輝(2年)が四球で出塁。盗塁と内野ゴロで一死三塁のチャンスを作ると、2番の山口太樹(3年)が犠飛を放ち1点を返し、反撃ムードを作る。

 

 しかし、この日の比叡山は流れを近江に渡さない。6回表に比叡山は一死から連打で一、三塁とすると8番の荒木相斗(2年)がスクイズを敢行。これを見事に成功させ、貴重な追加点を挙げる。さらに続く安田裕貴(3年)も適時打を放ち、この回でリードを広げた。

 

 この日の勝にとって3点のリードは十分すぎるほどだった。勝は最後まで近江打線を寄せ付けず、被安打3で1失点完投。秋のリベンジを果たし、6年ぶり13回目の優勝。26日からの近畿大会に出場を決めた。

 

 比叡山の河端成英監督は「勝は完投できるとは思っていませんでした。行ける所まで行こうと思っていましたが、粘って投げてくれました」と勝の好投を評価した。春の頂点を掴んだが、「夏を考えた時にこのままでは厳しい。課題だらけの中で勝たせてもらいました」(河端監督)と謙虚な姿勢を崩さない。また、「戦力があるだろうとされるチームと対戦するときの集中力が見えた」と河端監督が話すように滋賀学園近江のような強豪校を相手に勝負強さを発揮したのが優勝の要因だろう。第100回大会で3年ぶりの甲子園を目指す。

 

 比叡山は秋も近畿大会に出場しているが、初戦で法隆寺国際に0-9の7回コールドで敗れてセンバツ出場を逃している。好投した勝は「秋の近畿大会は力を出し切れずにコールド負けしたので、次は力を出し切って最低でもベスト4に行きたい」と抱負を語った。

 

 敗れた近江の多賀彰仁監督は「全てにおいてレベルアップしないといけない。ここで奮起してくれるかどうか」と夏に向けて選手の奮起を促した。この日は4番の北村恵吾(3年)が無安打に抑えられるなど打線が沈黙。このチームになってから県内の公式戦初黒星の悔しさを味わったチームが夏に向けてどのように這い上がってくるだろうか。

 

(取材・写真=馬場遼

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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