東海大相模vs聖光学院
東海大相模エース・斎藤礼二の注目集めた復活マウンド!
東海大相模・斎藤、聖光学院戦で8回途中まで投げ3安打3失点の好投
今大会、野手で目立つのは1番打者と遊撃手の好選手だ。
この日まで遊撃手は日置 航(日大三)、根尾 昂(大阪桐蔭)、小幡竜平(延岡学園)、1番打者は大谷拓海(中央学院)、峯圭汰(創成館)が私の目に止まり、13702(明秀日立)、村松開人(静岡)、そして小松勇輝(東海大相模3年)が「1番打者」と「遊撃手」を兼ね備えていた。
この聖光学院戦で東海大相模が勝利を決定づけたのは1、2回裏の攻撃だ。
1回は打者9人を送って6点、2回は8人を送って3点を奪うのだが、ともに先頭打者として打席に立ったのが小松だった。1回はレフト前ヒットで出塁後、4番上杉龍平(3年)のヒットで生還、2回はセンター前ヒットで出塁後、2番山田拓也(3年)の二塁打で生還した。
1本目のヒットのときの一塁到達タイムが4.20秒、2本目が4.26秒という速さで(私が俊足の基準にしているタイムは4.3秒未満)、これをきちんと振り抜いたヒットのときに記録しているのが立派だ。
一塁に到達する速さを見ればバッテリーは盗塁を警戒する。1回は小松の出塁後、2、3番打者に死球、四球を与え、2回は小松の出塁後、2番打者がライトに二塁打を放っている。小松の足を警戒するあまり打者に集中できない様子が伝わってくるようだ。
勝敗の興味が薄まった4、6回にヒットを放った3番森下翔太(3年)は存在感で傑出していた。いい打者に共通しているのは打席の中で「ゆったりしている」こと。バットのせわしない動きや上下動、あるいはバットを大きく後ろに引くような反動を抑え、ステップする動きを急がない……などなど、こういう好打者の共通点を森下はすべて備えている。
4回は先頭打者で3ボール1ストライクから128キロのストレートをレフト前、6回は2-2のボールカウントから132キロのストレートをセンター前に運び、ともに後続の打者のヒットで生還している。
投打の主軸がしっかりしていればチームが強いのは当たり前だ。打はチャンスメーカーとポイントゲッターを備えているので残るはエースの仕事だけ。死球を受けた影響で昨年の関東大会に出場できなかった斎藤 礼二(3年)は果たしてどの程度復活しているのか、私の試合前の興味はその一点だった。
この試合のストレートの最速は140キロ。さらにこのストレートが打者近くで伸びず。コースはストライクゾーンでもひと伸びがないためボールとジャッジされるシーンがたびたびあった。カーブ、スライダー(縦、横2種類)、フォークボールという変化球は一級品なので、課題はストレートの伸び。次戦に静岡戦が正念場となる。
(文=小関順二)
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