國學院栃木から見る継投の奥深さ
第90回記念選抜高等学校野球大会5日目は3試合が行われました。この中から第2試合の國學院栃木の継投を取り上げます。
1回戦で打球を足に受けたエース水澤龍太朗投手の状態や相手打線との関係を考慮して、柄目直人監督は早めに左の渡邉匠投手につなぐことを決めていました。
しかし1回に3点を失い、「2回までは・・・」と考えていたゲームプランを変更することになります。渡邉投手を2回から投入。この時点で3人目で投げる宮海土投手への継投をどこにするかも思案しまぃた。リリーフした渡邉投手は「ここまで早いとは思ってなかった」と驚いた心境を話しましたが、3人の継投を必勝パターンとしているチームでは、常にいつでもいける準備ができていました。
次に渡邉投手から宮投手への継投です。結果としては追いついた後の6回表に7番・島田侑希選手が勝ち越し本塁打を放った後、渡邉投手の打順で代打が送られ、投手交代が球場中に知れることになりました。
捕手の大久保謙亮主将や、渡邉投手に話を聞くと、5回裏が終わったところで、6回からの継投が宮投手に伝えられていたことを明かします。この言葉を聞く限りは、6回表が仮に無得点で同点のままだったとしても、代打で交代し、宮投手が3人目としてリリーフする手順になっています。ただ柄目監督に本塁打で勝ち越したのを見てから決めたのか、その前から決めていたのかを尋ねると「両方です」という答えでした。もしかすると、監督にはまだ何通りもの手があったのかもしれません。継投は難しいとよく言います。ですが、奥が深いという言葉もあてはまりますね。
大会第4日の結果です。今大会では主演である選手と同じく、グラウンドで試合を作る共演者と言うべきジャッジをする審判の方と一緒に紹介しています。( )は各都道府県の持ち回りの派遣審判です。昨日から派遣審判は三塁の塁審を担当しています。
今日は大会第6日。2回戦3試合です。
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(文:松倉雄太)