おかやま山陽vs瀬戸内

有本雄大（おかやま山陽）

　二季連続の甲子園出場を狙うおかやま山陽（岡山3位）と2試合合計33得点の猛打で4強入りを果たした瀬戸内（広島3位）による準決勝第二試合。打力自慢の両チームが相対する楽しみな顔合わせとなった。

　先攻・おかやま山陽、後攻・瀬戸内。先発はおかやま山陽がエース右腕・有本 雄大、瀬戸内が背番号11の左腕・山崎 誠。

　1回表、1番小野 剛昌が四球で出塁し、犠打と暴投で三塁へ。一死三塁で迎えた3番森下浩弥がきっちりと犠飛を打ち上げ、おかやま山陽が先制。4番井元 将也の打球が瀬戸内内野陣の失策を誘い、二死一塁に。続く5番宮地 翔矢が右中間を破る二塁打。この当たりで一走・井元 将也が長躯ホームイン。2点の先制に成功する。

　追う瀬戸内は3回裏、1番名原 典彦、2番新保 利於の連打で一死一二塁のチャンスメイク。3番東大翔も中前打で続き、二走が生還。なおも一死一三塁とおかやま山陽先発・有本 雄大を攻め、4番門叶 直己が左中間突破の適時二塁打。二者が生還し、逆転に成功。

　リードを奪われたおかやま山陽は直後の4回表、先頭の9番川上 雅稀の死球を足掛かりに一死二三塁のチャンスを作る。迎えた9番小野 凌の打席でスクイズ敢行。ややウエスト気味のボールに食らいつき、スクイズ成功。すかさず同点に追いつく。なおも二死三塁とし、1番小野 剛昌が左前に適時打。ここで瀬戸内は一塁を守っていた浴本 一樹にスイッチ。2番利光 康生が代わりばなを捉え、右前打を放ち、二死一二塁に。牽制悪送球で二死二三塁とチャンスが拡がり、3番森下 浩弥が右前打。二者生還でこの回計4点。再びおかやま山陽が試合の主導権を握る。

瀬戸内ナイン

　6回表、先頭の8番禰元 太陽が左前打で出塁。犠打で進め、1番小野 剛昌は内野安打。迎えた2番利光 康生が左前適時打を放ち、おかやま山陽が瀬戸内を突き放す。

　8回裏、二死一塁で4番門叶 直己の左越え二塁打が飛び出し、1点を返した瀬戸内だったが、反撃はここまで。おかやま山陽が7対4で瀬戸内を降し、決勝進出を果たした。

　勝てばセンバツ出場当確となる大一番で粘る瀬戸内を振り切ったおかやま山陽。「（中国大会で優勝して）神宮大会で1勝するという目標に向かってチームが集中できている」と堤尚彦監督も手応えを口にする。

　惜しくも決勝進出は成らなかったが、23得点の猛打で米子松蔭（鳥取1位）を降しての初戦突破を皮切りに猛打で今大会を席巻した瀬戸内。同じく4強の尾道（広島4位）と中国地区3枠目を争うことになるが、準決勝での試合内容、広島大会3位決定戦での直接対決で勝利していることからも選出の可能性はかなり高いのではないだろうか。

　前評判通りの勝ち上がりを見せる下関国際（山口1位）との決勝に臨むおかやま山陽。今大会安定した投球を続けている鶴田 克樹を早い段階で捉えられるかが大きなポイントとなりそうだ。2015年に創志学園が達成して以来となる岡山勢の中国大会制覇もかかる一戦に注目だ。

（文＝井上 幸太）

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