立正大立正vs聖パウロ学園
立正大立正、接戦を制す!亀山決勝三塁打、長瀬被安打5・完投
長瀬嶺也(立正大立正)
悪天候続きの中、貴重な晴天日となった10月18日、江戸川区球場では1日に4試合が行われた。その第1試合は、勝俣秀仁の指導の下、かつては弱小と言われたチームから強豪へと変貌した聖パウロ学園と、2001年に日大三が優勝した時の中心打者で、元ヤクルトの内田和也監督が率いる立正大立正の対戦になった。
この夏は、日大三出身の指導者が率いるチームらしく豪快な打撃が目立った立正大立正であるが、この秋は、「派手なチームではないです」と内田監督は語るように、細かくつなぐ野球で先制する。
1回裏立正大立正は1番・神尾優人、2番・藤縄柊が連続安打で出塁すると、3番・市川義希の犠打、4番・青木大空の中犠飛で神尾が還った。
立正大立正の先発は、身長175センチ、体重60キロと細身の長瀬嶺也。
「食べてはいるのですけど、上にばかり伸びて」と本人が言うように、身長は高校に入ってから10センチも伸びたという。それに合わせて、球速も伸びて、現在の球速は130キロ台前半。ただし実際には、球速以上の伸びを感じる投球をする。
長瀬は4回まで1人の走者も出さない完璧な投球。しかし内田監督が「初回から飛ばし過ぎて、中盤にガス欠になりました」と言うように、5回表につかまる。
この回、聖パウロ学園の4番・星野心に四球を与え、7番・倉重大輝がセンターオーバーの二塁打を放ち、同点に追いつく。さらに、聖パウロ学園の先発投手でもある8番・岩谷康希の三塁内野安打で倉重も生還して勝ち越す。
聖パウロ学園の岩谷は、初回こそ失点したものの、その後は走者を出しながらも丁寧な投球で立正大立正の追加点を防いでいた。けれども聖パウロ学園が逆転した直後の5回裏は、一死一、二塁から立正大立正の7番・本庄康宗がレフトに二塁打を放ち、同点に追いついた。
立正大立正の長瀬は、5回は崩れたものの、その後は変化球を駆使した投球に切り替え、聖パウロ学園打線に得点を与えない。
聖パウロ学園の先発・岩谷は、7回を終えた時点で球数が100を超え、疲れがみえ始めたところで、8回表から左腕の平湯瑞樹に交代した。
平湯は順調に2人を打ち取ったが、続く立正大立正の4番・青木の打球は、二塁手と右翼手、中堅手の間に落ちる二塁打となる。さらに5番・亀山矩人が左中間を破る三塁打を放ち青木が還って1点勝ち越し。9回表は長瀬が、走者を出しながらも得点を与えず、3対2で立正大立正が勝ち、3回戦に進んだ。
ソフトバンクの千賀滉大をモデルにしているという立正大立正の長瀬は、9回を完投し被安打5、自責点2と好投。もともと内野手で、本格的な投球は高1の冬からということで、まだまだ成長が期待できる投手だ。
一方敗れた聖パウロ学園は、チーム力はかなり高い。
「昨年夏に準々決勝に進出したのをみて、頑張った子が力をつけています」と、勝俣監督も手ごたえを感じている。
「攻撃面ではしっかり振り込んだうえで、ディフェンス中心にゲームを作れるようにしていきたい」と、春以降に向けての抱負を語った。
(文=大島 裕史)
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