創価vs駒大高

好救援を見せた吉澤楽（創価）

　エースで4番の菊地郁也をはじめ、1年生の夏から公式戦を経験している選手が多く、戦力が安定している創価であるが、駒大高は春季大会で敗れた相手。それだけに「選手たちはあの試合の悔しさを持って戦った」と、創価の片桐哲郎監督は語る。

　ただその思いが硬さになったのか、序盤は駒大高のペース。2回表には不破啓輔が、駒大高らしいフルスイングした打球がライトスタンドに飛び込む先制本塁打となった。

　それでも公式戦の経験者が多い創価は、「経験値というのはあります。バタバタすることはありません」と片桐監督は言うように、リードされても焦りはない。

　3回表駒大高は、1番・保谷駿の二塁打と2つの四球で一死満塁となったところで、先発した背番号10の笹岡丈二に代えて、背番号14、横手投げの吉澤楽を登板させる。

「スライダーなどが結構曲がって、打てなかったです」と、駒大高の川端教郎監督が言うように、吉澤は変化球のキレが良く、駒大高の3番・鈴木大智、4番・山内一樹を連続三振に仕留め、追加点は許さない。

　するとその裏から創価の猛攻が始まる。3番・浪川広之、6番・若林裕司の二塁打も含め、この回創価は安打5本を集め、この回一挙4点を挙げて、試合をひっくり返す。

　創価は4回裏にも、2番・藤井の適時二塁打、4番・菊地の中前適時打などで2点を追加。6回裏には5番・中野魁の中犠飛と相手投手の暴投などで2点を追加した。

　投げては3回途中から登板した吉澤が、7回まで駒大高の強力打線を被安打3、四死球0、奪三振3で無失点という完璧な投球。エース・菊地を温存したまま8対1で創価が7回コールドで駒大高を下した。

　春とは違い、創価に大敗した駒大高の川端監督は「毎年1年かけてチームを作るので、冬を越えてどうかです」と比較的サバサバした表情で語った。ただ投手陣が「ボールが先行して、ストライクをほしがって打たれた」と、この試合での反省点を語った。前のチームもひと冬越してたくましくなり、夏の大会のシード校になっているだけに、これからの成長を注目したい。

　一方、エースの菊地を温存して勝った創価であるが、「柱は菊地」という部分は動かないが、「彼に頼り切らないようにしたい」という片桐監督の構想は、一定の成果をみせた。

　次の相手は帝京。大会全体の行方を占う、優勝候補同士の対決である。
「自分たちの力を信じてぶつかりたい」と片桐監督は、力強く語った。

（文＝大島裕史）

注目記事
・2017年秋季大会 特設ページ