白岡vs朝霞西

初回の白岡、森君が3点目のホームイン

　2015年夏、優勝候補の浦和学院を下すなどして埼玉大会決勝進出を果たした白岡。その旋風以来、一目置かれる存在になっているが、この秋の新チームはどうだろうかということで興味深かった。その準優勝を見て入学してきたのが、この秋のチームの主力となっている選手たちである。鳥居俊秀監督としても、「このチームは、勝負出来るぐらい、能力の高い選手たちが集まってくれた」と、期待は高い。

　県内では、指導者の情熱もあって、チーム作りに精を出している公立校同士の対決。どんな試合になっていくのかなという期待感もあった。

　試合は初回から激しく動いていった。

　まず白岡は、3四死球で一死満塁とすると野選と5番桂田君の左前への2点タイムリーで3点を先取する。しかしその裏、朝霞西も先頭の久岡君が右越三塁打すると、続く渡邉 太一君が左前打して無死で1点を返す。さらに、二死二塁から5番白田君も中前打して1点差とする。

　試合は予想通りの接戦となっていったが、3回に白岡は3番佐藤 遼弥君の中前打から、盗塁や捕逸などでチャンスが広がると、5番石田君の左前打と、さらに四死球後9番三瓶君が2点タイムリーとなる左前打で引き離した。白岡は、4回にも二死三塁から、石田君の左前打で1点を追加して主導権を握る。

　それでも、朝霞西も4回途中から、熊田 康二監督が送り込んだ2番手、やや変則の横手投げの仲村京晃君が粘って踏ん張っていた。そして、その間に打線も反撃していく。

　5回に朝霞西は8番大山君の安打と2四球などで二死満塁としてから、4番國弘君の中前打で2者を帰して追い上げる。さらに、7回にも、一死で二塁打の渡邊 太一君を置いて、中島君が右前だし、渡邊君は一旦三塁で止まったものの、わずかなスキを突いて本塁を陥れた。このあたりは、細かい走塁練習を積んできている朝霞西の練習の成果と言ってもいいいであろう。

　こうして後半は、朝霞西の流れになっていったが、白岡の安田君は何とか踏ん張った。そして、9回は杉崎君がリリーフのマウンドに立って、渡邉君には三塁打を浴びはしたものの、生還を許さずしっかり守り切った。

　何とか逃げ切れた白岡だったが、鳥居監督は、「よく、安田が投げてくれました」と、安田君の粘りの投球をまず評価した。また、後半になって、2度あった、無死と一死での一二塁という場面での併殺崩れのところで、二塁走者が一気に本塁を狙って、結果として刺されたという場面について、「文大会では、そんなには打てないと思っていました。だから、スキを見ては、次を狙ってかき回すということは指示していました。ただ、コーチャーも状況を見てストップをかけるとか、そういうところは課題となりました」と、反省も忘れてはいなかった。

　この秋、白岡がまたまた、面白い存在になりそうだ。

（文・写真＝手束 仁）

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