神村学園vs鹿児島
前畑、値千金の長打2本・神村学園
ここまで勝負強さを発揮して勝ち上がり5年ぶりの夏を目指す第1シード神村学園と、ノーシードながら全試合を1点差勝ち、4回戦からは3戦連続逆転勝ちと神がかり的な勝ち方で50年ぶりの甲子園を目指す鹿児島が激突。終盤まで目の離せない、99回目の鹿児島の夏の代表校を決めるのにふさわしい熱戦となった。
前半4回までは互いに得点が奪えず。神村学園はエース青柳 貴大(3年)が相手の打球の芯を外す得意の投球と、走者を出しても絶妙のけん制でアウトをとるなどで付け入るスキを与えなかった。
鹿児島の2年生エース・松永 遥平はボールが荒れ気味で球数が多く、四死球で走者を出すことも度々あったが、神村学園打線が的を絞り切れず、得点できていなかった。
スコアが動いたのは5回だった。 鹿児島は二死一、三塁で1番・上之薗 太雅(2年)の打球がショートゴロエラーとなり先制する。
その裏、神村学園は二死二塁で4番・南川 翔哉(3年)の代打・前畑 太壱(3年)が初球を右中間に運ぶ三塁打を放ち、同点に追いつく。
鹿児島は6回、先頭の3番・上之園 和起(3年)がライトオーバー三塁打を放ち、5番・下 拓真(3年)の犠牲フライで再び勝ち越した。
8回、神村学園は先頭の4番・前畑がライトスタンドにソロを放って同点とする。
ここまで思うように攻められていなかった神村学園打線にようやく火がつき、エラー、四球、セーフティーバントで満塁とすると、1番・後藤 拓真主将(3年)が走者一掃のライトオーバー二塁打を放って初めて勝ち越しに成功した。
9回表は、8回からリリーフした中里 琉星(2年)が三者凡退で打ち取り、神村学園が夏の甲子園への切符を勝ち取った。
(文=政 純一郎)
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