試合レポート

二松学舎大附vs獨協

2017.07.20

エースとしての自覚。東東京屈指の本格派左腕へ化けた市川睦!

二松学舎大附が投打で圧倒した。1回裏、3番平間陸人(2年)の適時二塁打で1点を先制すると、平間は相手野手の中継プレーが乱れる間に生還し、いきなり2点を先制。2回裏には左のスラッガー・秋広涼太(3年)が左中間へ打ち込む本塁打で1点を追加すると、その後も猛打が続き、8対0にすると、その後も、二松学舎大附打線は勢いが止まらず、14安打19得点の猛攻で獨協を圧倒した。

 この試合、春から成長を実感させたのは、エースの市川睦である。182センチ78キロと上背があり、手足も長く、なで肩と、投手として理想的な体型をした市川だが、なかなか球速が上がらず、苦しんだ投手だったが、この夏になって恵まれた素質をパフォーマンスで表現できるようになった。

 市川は左ひじを折りたたむようにして、テークバックを取り、そこから鋭く腕を振っていく。立ち上がりから常時135キロ~140キロを計測し、最速141キロを3球計測。キャッチャーミットまで勢いが落ちない力強いストレートを投げており、今までの印象ががらりと変わるようなストレートを投げ込んでいた。2回以降も、常時140キロ前後の速球で空振りを奪い、さらに120キロ前後のスライダーを鋭角に曲がっており、簡単にミートできない。何と4回を投げて10奪三振と圧巻の投球、

 長身左腕から、東東京屈指の左腕へ化けた市川。そのきっかけは春の負けが大きい。春では日大三に打ち込まれ、5回コールド。市原勝人監督から「かわそうとして偏っていく。逃げ腰でした」と厳しく指摘された市川。攻めの姿勢がなかった。それが伸び悩みにつながっていたのかもしれない。だがこの試合は違う。だいぶ攻める気持ちが出ていて、その投球ぶりは去年のエース・大江竜聖を思い出させるような度胸溢れるピッチングだった。エースとしてマウンドを背負ってたつ市川がこのように自覚が芽生えたのは大きいだろう。

 そして二松学舎大附から楽しみな投手が現れた。その名が、岸川海(2年)。178センチ75キロと、高校生としては平均的な体格。投球練習から勢いある投球を投げ込んでおり、いざ実戦になった時、どんなボールを投げ込むのか、楽しみにしていた。そしてその1球目に最速143キロを計測。投球フォームは、ノーワインドアップから始動し、左足をゆったりと引き上げていきながら、右足の膝を伸ばしていきながら、体重移動を行い着地を行う。そこからテークバックを見ると、内回りの旋回していきながら、トップを作り、リリースへと入っていく。その後、打者寄りでリリースすることができており、球もち自体も良い。スライダーも120キロ程度出ており、高校2年生ではかなり高いレベルに達した投手で、来年のドラフト候補としてみていい投手だった。

 来年の二松学舎大附は、3番平間、1番堀川尚希など野手に逸材が揃うが、秋以降も東京をリードする存在となりそうだ。

 敗れた獨協はここまで3試合中、2試合は二桁得点を挙げているが、二松学舎大附投手陣に抑え込まれる形となってしまった。

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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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