早稲田実業vs美里工

清宮 幸太郎（早稲田実）

「自分は（苦笑）全く打てなかったですけど、みんなが調子が良かったですし、よく打線が回りましたし、もったいないところもありましたけど、このあとのミーティングでしっかりと確認していきたいです。」この美里工戦では4打数無安打１犠飛。沖縄尚学戦での二塁打のみで、清宮幸太郎自身は消化不良の沖縄初日となったがチームとしては圧巻の2試合連続二桁安打をマーク。[stadium]神宮球場[/stadium]で行われた日大三との打撃戦も、きっとこうだったのではないか。沖縄の野球ファンもそう感じたに違いない、早稲田実の見事な終盤の猛攻だった。

　5回まで僅か4安打。野村大樹のタイムリーでようやく2点目を入れて、2対5と3点差に迫った早稲田実。遠征疲れがあるのかも。そうよぎった思いはすぐに打ち消されていく。

　6回、早稲田実は一死一塁とすると今日初打席となった横山優斗がライト線を破る長打。俊足を飛ばして一気に生還するランニングホームラン。これで目が覚めたか。2本のヒットと四球で満塁として清宮幸太郎が打席へ入り、ライトへ高々と打ち上げる犠牲フライで同点に追いついた。7回、早稲田実は二死一塁だったが橘内俊治のセンター前へヒットから圧巻の5者連続安打で一気に4点を奪うと、続く8回には一死一・三塁から橘内がレフトの頭上を越えるタイムリー三塁打。生沼弥真人が自身２打席連続安打、チーム16安打目となるタイムリー。終盤の3イニングだけで12安打10得点を奪い快勝した。

　美里工も4回、一死一塁から仲吉黎、知花稜也、島袋寿成の3連打が生まれると、スクイズで得点。さらに上原彪雅が３打席連続安打となるタイムリーで一挙4点を挙げた。7回には主砲・伊佐翼が、清宮だけじゃないとばかりに左中間一番深いところへ運ぶソロアーチを掛けた。大敗したが、沖縄随一の強打は見ごたえがあった。

　「今日のようなバッティングでは自分も満足していませんし、来たからには自分のバッティングをしっかりしていきたいです。」沖縄尚学戦での二塁打は３ボール０ストライクからのバッティングだったが、打たなくてもいいかなと思いつつインコースに来たので振り切ったと語った清宮幸太郎。翌日の美来工科戦では2打席凡退したのちの、第3打席でヒットを放つと第4打席でついに96号。「来たからには！」有言実行の稀代のスラッガーから、まだまだ目が離せない。

（取材・写真＝當山雅通）

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