日大一vs立正大立正
日大一・下野の力投で、立正大立正の反撃をしのぐ
2失点に抑える力投を見せた下野湧雅(日大一)
日大一は1回裏、一死から2番菅野 颯人(3年)が内野安打で出塁すると、二死二塁となって4番武藤就彬(2年)の右中間を破る適時二塁打で1点を先制。さらに5番大塚 巧己(3年)が2ラン本塁打を放ち、3対0と点差を広げた。日大一の渡邉尚樹監督は、「先制して、ダメ押しをして、理想的な点の取り方」と評価。本塁打を打った大塚は、「相手は左投手でしたので、うまく間合いを取ることを意識しました。打ったのはインコース。うまく体が反応して、綺麗に振り抜くことができました」と本塁打の場面を振り返った。大塚はこの冬、ウエイトトレーニングを行い、5キロ増に成功。以前よりも長打力が出てきたことに手ごたえを感じていた。
だが、立正大立正も粘る。4回表、一死から2番大杉和輝(3年)の二塁打でチャンスを作ると、青木大空(2年)の右前適時打で1点を還す。さらに6回表、一死二、三塁から4番勝村の犠飛で1点を返した。
しかし、ここから日大一の先発・下野湧雅(3年)が粘り強い投球。球速的なものは速くないが、制球力に長け、内外角へしっかりと出し入れができる投手だ。この冬場はしっかりとトレーニングを行い、体重5キロ増で、ストレートにも力強さが増したが、それでも丁寧な投球スタイルを心掛けた。立正大立正打線について、「初球からガンガン振ってくる打線で怖さを感じました」と語るが、それでも、最後まで丁寧な投球で、立正大立正打線をしのいで2失点完投勝利で、2回戦進出を決めた。
完投勝利の下野は、「まだボールのばらつきがあり、反省点が多い内容だったと思います。次の試合へ向けて修正をしていきたいと思っています」と次の試合へ向けて課題を語った。
渡邉監督は、一冬超えて打線がパワーアップしたことに手ごたえを実感しながらも、「次も今日のような試合展開になると思いますので、粘り強く勝ち上がっていきたいと思います」と、次の試合も自分たちの戦い方を貫き、3回戦進出を目指す。
敗れた立正大立正。1人1人の打者の能力は高く、特に注目なのが3番に座る青木大空だ。青木は176センチ85キロとがっしり体型をした左打者。太ももの強さ、太さや、打撃フォーム、スイングを見ていてもスラッガーとして大きな可能性を感じさせる選手。トップを深くとっていきながら、強く踏み込んで鋭いバットスイングで強い打球を連発する。潜在能力の高さは強豪校の左打者にひけをとらないものがあった。
今後、打球の角度が上がり、本塁打量産体制に入ると、もっと注目を浴びる可能性を持った選手だろう。
(取材・写真=河嶋宗一)
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