試合レポート

明徳義塾vs済美

2016.10.30

怒りの明徳義塾、済美を集中力で退け4季連続甲子園へ前進!

明徳義塾vs済美 | 高校野球ドットコム

2回表に1イニング2安打の明徳義塾7番・近本 攻生(二塁手・2年)

 四国大会準決勝数日前、高知県須崎市・横浪半島にある明徳野球道場には「怒り」のパワーが充満していた。

 高知県大会決勝戦では高知中村・北原 野空(2年・右投右打・168センチ71キロ・高知県立中村中出身)の「7色の変化球」に対し6安打完封負け。夏の高知大会決勝のリベンジをしっかり果たされた上に「3連勝しないとセンバツにはいけない」(馬淵 史郎監督)窮地に追い込まれた明徳義塾。そのうち2つをクリアしても些細なミスに飛び交う怒号に、そのミスをすぐに撲滅せんとする指揮官、コーチ陣の熱血指導。あの悔しさを誰も忘れてはいなかった。それらのパワーがこの試合、2回表に凝縮されたといってよいだろう。

 一死から7番・谷合 悠斗(1年・左翼手・右投右打・178センチ80キロ・岡山メッツ<岡山・ヤングリーグ>出身)が口火を切っての疾風怒濤の5連打で3点。「自信のあったインコースストレートを叩かれた」済美先発・八塚 凌二(2年主将・投手兼三塁手・右投右打・175センチ71キロ・新居浜リトルシニア出身)をマウンドから下ろすと、一死満塁から3番・今井 涼介(2年・遊撃手・右投右打・170センチ65キロ・八尾ボーイズ<大阪>出身)は10球粘る明徳義塾の真骨頂を発揮しての押し出しで4点目。

 
 動揺を隠せない済美はその後も満塁走者をすべて返してしまう痛いミスも重なり、8点を献上。この時点で完全に勝負は決した。最後は「身体を開かないようにしてインコースストレートを叩いた」西浦 颯大(2年・右翼手・右投左打・175センチ70キロ・熊本北リトルシニア<熊本>出身・元:侍ジャパンU-15代表)の8回表の高校通算23号2ランで締めた明徳義塾。2年連続13度目の決勝進出と同時に、4季連続となる2年連続17度目のセンバツ出場を濃厚とした彼らは、6年ぶり7度目となる秋の四国王者を虎視眈々と狙う。

 一方、8回コールドで敗れたことと、同県の帝京第五が決勝進出したことで昨年に続きまたしてもセンバツ出場を目の前で逃すことが決定的となった済美。高校時代の恩師との公式戦初対決に敗れた後、中矢 太監督が敗因として指摘した「北本 (佑斗・2年・左投左打・170センチ70キロ・泉北ボーイズ<大阪>出身)」の変化球をずっとイメージして練習してきたが、試合では振れなかったことと、2回表に固くなってうろたえた守備力」は、県大会準決勝・宇和島東戦からの課題でもある。この冬はぜひその部分を強く意識し、鍛え、春、そして屈辱の初戦敗退に終わった今年からのリベンジもある来夏の愛媛大会までに、大きく成長した姿を見せてもらいたい。

(文・写真=寺下友徳

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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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