上宮太子vs高野山
9回の猛攻
上宮太子が逆転勝利
9回2アウトで2ストライク。高野山は勝利まであとストライク一つと迫りながら、そのストライクが取れなかった。二番手の藤原 愛貴(1年)が上宮太子打線に連打を浴び、逆転を許してしまった。
「終盤の集中力が課題」と話した川西 優登監督。あと一つのアウト、あと一つのストライクを取る難しさを感じるゲームとなってしまった。
もう一つ、ゲームを見ていて難しさを感じたのが継投だ。高野山のエース・塩路 彩斗(2年)は3点を失ったが、守りの乱れが失点に繋がったこともあり、打たれている印象はなかった。ただ、川西監督は6回のピッチングで上宮太子打線のタイミングは合ってきたことを感じていた。加えて球数が138。継投を考えるには十分のデータを示していた。結果としては7回裏の攻撃で一人が出塁したことにより9番・塩路彩にまわるため、そのタイミングで代打を送ることになる。でも、「まわらなかったとしても、次の回から藤原に代えるつもりでした」と決断に迷いはなかった。1年生ながら藤原も秋の和歌山大会での経験があり、高野山サイドの視点としてはこの継投は常道だったのである。
しかし視点を上宮太子サイドに変えると見え方は違っていた。手を焼いていた相手のエースがマウンドを降りたという状況。さらに「1年生でしたので」と日野 利久監督が話すように、攻撃のきっかけを掴む暗示として相手の継投をプラスに考えることもできる。結果的には継投が勝負の流れを動かすことに繋がったのかもしれない。
一方は常道の策。でも、もう一方は違うように見える。将棋の盤を180度回転させれば見え方が変わるように、勝負の流れが動く時、心境は双方でことなる時がある。
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