小諸商vs坂井
北信越大会初勝利
小諸商業 北信越大会初勝利
5回にエース・髙橋 聖人(2年)のタイムリーで先制した小諸商。6回裏に守備の乱れで追いつかれるが、直後の7回表にエラーの走者からチャンスを作ると、9番・小林 尚斗(1年)の犠牲フライで勝ち越しに成功。続く8回には4番・関 優太(2年)が本塁打を放ち、坂井の好左腕・吉川 大翔(2年)を攻略した。
投げては髙橋が7回1失点。8回からはファーストを守っていた左腕・柳澤 共亮(2年)がリリーフし、無失点に抑えた。「集中力を持ってやってくれました」と春秋合わせて5回目の北信越大会出場での初勝利に竹峰 慎二監督は喜びをかみしめる。
長野大会・準々決勝(松商学園戦)の試合前にエース・髙橋が背中痛を訴え、登板できなくなった。今夏の長野大会ベスト4へと導いた右腕のまさかのアクシデント。以降は「髙橋を北信越大会でもう一度投げさせよう」がチームの目標となった。夏も両輪だった柳澤が踏ん張り、松商学園に7対6の1点差で勝ち北信越大会出場を決めた。「何もできなくて悔しかった」と話すエースに、再び光が当たる舞台が訪れた。この日はピッチングだけではなく、バッティングでも先制打を放つ活躍を見せ、大きくガッツポーズをして喜びを表現した。
一方、敗れた坂井の注目左腕・吉川は、「甘いコースに入って打たれてしまった。低めのコントロールとコースの投げ分けが冬の課題。体重も増やしたい」と来夏への成長を誓った。3失点はしたものの、切れ味鋭い変化球が冴える場面が何度もあった。来年、また見てみたい投手である。
さて、小諸商のベンチワークにこだわりと魅力を感じたので一部を紹介したい。(写真も参照)
攻撃中、背番号15の山崎 豪気(2年)と背番号17の木内 陸(2年)がメモを書くためのバインダーを手に竹峰監督の横に立つ。守備中は背番号18の控えキャッチャー・由井 優汰(2年)が竹峰監督の横に立っていた。三人ともしきりに指揮官と会話を交わす。見ていると一瞬、プロ野球の監督の周辺に立つコーチの役割をしているのではと錯覚してしまうほどだった。実際にその会話が次の一手に繋がることもあるという。
さらに攻撃中、ベンチの奥でディフェンス担当である由井を中心に打順が遠い出場選手が輪になって攻撃に目をやらずに次の回の守りについて話し合う場面が見られた。8回の4番・関の本塁打は、まさにその守備の相談中に放ったもので、打った瞬間を見られていない選手もいたように見えた。
攻撃中に守備担当の選手がプレーを見ることよりも、次の自分達の役割に重きを置いて話し合う。似たようなシーンは攻守の役割がはっきりと分かれているアメリカンフットボールでは見ることがあるが、ベンチの最前列で攻撃を見ることが多い高校野球では珍しいシーンと言える。「野球は九人でやるものではない。みんな役割がある」と竹峰監督は話す。
連戦となる準々決勝は石川一位の日本航空石川と対戦する。各選手のベンチワーク、動き方にもぜひ注目して見てもらいたい。
注目記事
・2016年秋季大会特設ページ