試合レポート

小諸商vs坂井

2016.10.15

北信越大会初勝利

小諸商vs坂井 | 高校野球ドットコム

小諸商業 北信越大会初勝利

 5回にエース・髙橋 聖人(2年)のタイムリーで先制した小諸商。6回裏に守備の乱れで追いつかれるが、直後の7回表にエラーの走者からチャンスを作ると、9番・小林 尚斗(1年)の犠牲フライで勝ち越しに成功。続く8回には4番・関 優太(2年)が本塁打を放ち、坂井の好左腕・吉川 大翔(2年)を攻略した。

 投げては髙橋が7回1失点。8回からはファーストを守っていた左腕・柳澤 共亮(2年)がリリーフし、無失点に抑えた。「集中力を持ってやってくれました」と春秋合わせて5回目の北信越大会出場での初勝利に竹峰 慎二監督は喜びをかみしめる。

 長野大会準々決勝(松商学園戦)の試合前にエース・髙橋が背中痛を訴え、登板できなくなった。今夏の長野大会ベスト4へと導いた右腕のまさかのアクシデント。以降は「髙橋を北信越大会でもう一度投げさせよう」がチームの目標となった。夏も両輪だった柳澤が踏ん張り、松商学園に7対6の1点差で勝ち北信越大会出場を決めた。「何もできなくて悔しかった」と話すエースに、再び光が当たる舞台が訪れた。この日はピッチングだけではなく、バッティングでも先制打を放つ活躍を見せ、大きくガッツポーズをして喜びを表現した。

 一方、敗れた坂井の注目左腕・吉川は、「甘いコースに入って打たれてしまった。低めのコントロールとコースの投げ分けが冬の課題。体重も増やしたい」と来夏への成長を誓った。3失点はしたものの、切れ味鋭い変化球が冴える場面が何度もあった。来年、また見てみたい投手である。

 さて、小諸商のベンチワークにこだわりと魅力を感じたので一部を紹介したい。(写真も参照)
攻撃中、背番号15の山崎 豪気(2年)と背番号17の木内 陸(2年)がメモを書くためのバインダーを手に竹峰監督の横に立つ。守備中は背番号18の控えキャッチャー・由井 優汰(2年)が竹峰監督の横に立っていた。三人ともしきりに指揮官と会話を交わす。見ていると一瞬、プロ野球の監督の周辺に立つコーチの役割をしているのではと錯覚してしまうほどだった。実際にその会話が次の一手に繋がることもあるという。

 さらに攻撃中、ベンチの奥でディフェンス担当である由井を中心に打順が遠い出場選手が輪になって攻撃に目をやらずに次の回の守りについて話し合う場面が見られた。8回の4番・関の本塁打は、まさにその守備の相談中に放ったもので、打った瞬間を見られていない選手もいたように見えた。

 攻撃中に守備担当の選手がプレーを見ることよりも、次の自分達の役割に重きを置いて話し合う。似たようなシーンは攻守の役割がはっきりと分かれているアメリカンフットボールでは見ることがあるが、ベンチの最前列で攻撃を見ることが多い高校野球では珍しいシーンと言える。「野球は九人でやるものではない。みんな役割がある」と竹峰監督は話す。

 連戦となる準々決勝は石川一位の日本航空石川と対戦する。各選手のベンチワーク、動き方にもぜひ注目して見てもらいたい。

小諸商vs坂井 | 高校野球ドットコム
注目記事
・2016年秋季大会特設ページ

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

関連記事

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.05.01

【神奈川】関東大会の切符を得る2校は?向上は10年ぶり、武相は40年ぶりの出場狙う!横浜は6年ぶり、東海大相模は3年ぶりと意外にも遠ざかっていた春決勝へ!

2024.05.01

春季大会で頭角を現した全国スーパー1年生一覧! 慶應をねじ伏せた横浜の本格派右腕、花巻東の4番、明徳義塾の正捕手ら入学1ヶ月の超逸材たち!

2024.05.01

【福島】聖光学院と福島商が県大会切符<春季県大会支部予選>

2024.05.01

【兵庫】報徳学園、須磨翔風などが順当に夏の第1シード獲得!昨秋ベスト4の長田、滝川二はノーシードに

2024.05.01

【岩手】盛岡大附、一関学院などが県大会出場へ<春季地区予選>

2024.04.29

【全国各地区春季大会組み合わせ一覧】新戦力が台頭するチームはどこだ!? 新基準バットの及ぼす影響は?

2024.04.26

今週末に慶應vs.横浜など好カード目白押し!春季神奈川大会準々決勝 「絶対見逃せない注目選手たち」!

2024.04.26

古豪・仙台商が41年ぶりの聖地目指す! 「仙台育英撃破」を見て入部した”黄金世代”が最上級生に【野球部訪問】

2024.04.28

【広島】広陵、崇徳、尾道、山陽などが8強入りし夏のシード獲得、広島商は夏ノーシード<春季県大会>

2024.04.28

【長野】上田西、東海大諏訪、東京都市大塩尻が初戦突破<春季県大会支部予選>

2024.04.23

【大学野球部24年度新入生一覧】甲子園のスター、ドラフト候補、プロを選ばなかった高校日本代表はどの大学に入った?

2024.04.21

【兵庫】須磨翔風がコールドで8強入り<春季県大会>

2024.04.22

【鳥取】昨年秋と同じく、米子松蔭と鳥取城北が決勝へ<春季県大会>

2024.04.29

【全国各地区春季大会組み合わせ一覧】新戦力が台頭するチームはどこだ!? 新基準バットの及ぼす影響は?

2024.04.22

【春季愛知県大会】中部大春日丘がビッグイニングで流れを引き寄せ、豊橋中央を退ける