試合レポート

浦和実vs立教新座

2016.09.29

3点リードを追いつかれた浦和実、延長で粘る立教新座を振り切る

浦和実vs立教新座 | 高校野球ドットコム

三番手・三本木 大夢(浦和実)

 今年は9月になって天候が不安定なことが多く、日程が大きくずれることの多かった秋季大会だが、関東地区では各県の秋季大会も終盤を迎えてきた。関東大会進出校も決まっている県もある。埼玉県も、胸突き八丁の準々決勝だ。

 浦和実は背番号10の英 真太郎立教新座はエースナンバーを背負う三輪と両1年生左腕の先発となった。試合は、お互いに相手のミスを突くような形で取って取られてという展開になった。

 浦和実は2回に4番倉山の安打と死球、バント野選で無死満塁という好機を貰い、一死後8番英 真太郎の右前打で先制する。しかし、なおも満塁の好機では、中飛で三塁走者が本塁を狙ったが憤死で併殺となった。立教新座としては、失点を1点に防いだことで息を吹き返した。

 4回に立教新座は死球の走者をバントで進めると3番松葉の左前打で同点とする。しかし、その直後の5回、浦和実は一死一、三塁で2番小田が右線三塁打して二者を帰す。さらに、6回にも四球と三本木 大夢の安打で一、三塁として、7番西村がスクイズを決めて4対1とした。これで、試合は浦和実の流れで進んでいくのかと思われた。ところが、その裏に浦和実に立て続けに内野失策が出てしまい、無死一、二塁。バントで一死二、三塁とすると、ここで立教新座のクリーンアップが力を発揮。松葉が中前打すると、4番村田も中越二塁打して同点に追いついた。

 これで浦和実ベンチは先発の英 真太郎を諦めて、下手投げの白石を投入。白石は速いテンポでスイスイと投げ込んできて、後続をしっかりと抑えた。


浦和実vs立教新座 | 高校野球ドットコム

先発・三輪(立教新座)

 7回以降は、お互いの投手がしっかり投げた。浦和実の田畑富弘監督は9回からは、エースナンバーの三本木 大夢をライトの守備位置から呼び寄せてマウンドに送った。白石はよく投げたが、ここが限界という判断でもあったようだ。田畑監督は、「3人でつないでいくというのは、最初からの予定でしたから、迷いませんでした。(白石投手を)もう少し、引っ張ってもよかったのかもしれませんが、当初の予定通りに行きました」と、最も信頼のある三本木 大夢を最後に送り込んできた。

 立教新座も三輪が、9回には捕まりかかったが踏ん張った。「もう1イニングだけ行け」という冨部勇人監督の指示で、10回まで投げ切った。しかし、その裏2番からの好打順で、篠田が安打して代走富田を送り出して勝負をかけたもののサヨナラとならず、11回からは栗崎がリリーフのマウンドに登った。

 ミスがキーとなって動いていた試合だっただけに、ミスが明暗を分けなければいいが…とは思っていた。代わった栗崎もスムーズな立ち上がりだったが、一死後、途中から8番白石に代わってライトで入っていた横山が、田畑監督の期待に応えて勝負強さを示して中前打で出塁。ここでボークを取られてしまった。浦和実は労せずして二塁へ進めることとなった。四球などで二死一、二塁となって、2番小田が自身この日4本目の安打で帰して、2番打者ながら4安打3打点。田畑監督も、「1番(小原)と2番(小田)は、前のチームから出ていますし、信頼していますから」という思いに十分応えるものだった。

 夏のメンバーから11人も残った立教新座。冨部監督も「秋は、ある程度は結果を出せるのではないかというより、結果を出さなくてはいけない」と思っていたという。ベスト8で5位という結果をどうとらえるのかというところもあろう。「このままではもちろん、他のチームも一冬越えて力をつけてきますから、課題を見つけてやっておくべきことはたくさんあると思います」と、この負けを一つの糧として、早くも次を見据えていた。

(文=手束 仁

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

関連記事

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.05.05

【関東】常総学院、花咲徳栄などが関東大会進出!5日の山梨準決勝で出場校がすべて決定!

2024.05.05

【春季埼玉県大会】花咲徳栄9回一挙5得点!山村学園のプロ注目左腕・西川を攻略し逆転で関東大会へ!

2024.05.05

【岩手】花巻東が第1代表掴む!大船渡、盛岡中央などが敗者復活戦で代表<春季地区予選>

2024.05.06

【春季埼玉県大会】花咲徳栄4回に一挙10得点!20得点を奪った花咲徳栄が昌平を破り優勝!

2024.05.06

センバツV・健大高崎は夏も強い! Wエース抜きで県大会優勝、投打に新戦力が台頭中!

2024.05.01

春季大会で頭角を現した全国スーパー1年生一覧! 慶應をねじ伏せた横浜の本格派右腕、花巻東の4番、明徳義塾の正捕手ら入学1ヶ月の超逸材たち!

2024.04.30

大阪大などに卒業生を輩出する進学校・三国丘  文武両道を地で行く公立校は打倒・強豪私学へ「何かしてやりたい」

2024.04.30

【岩手】宮古、高田、久慈、久慈東が県大会出場へ<春季地区予選>

2024.05.01

【神奈川】関東大会の切符を得る2校は?向上は10年ぶり、武相は40年ぶりの出場狙う!横浜は6年ぶり、東海大相模は3年ぶりと意外にも遠ざかっていた春決勝へ!

2024.04.30

【山口】宇部鴻城が西京を下して7年ぶり優勝!<春季大会決勝>

2024.04.22

【春季愛知県大会】中部大春日丘がビッグイニングで流れを引き寄せ、豊橋中央を退ける

2024.04.21

【愛知】愛工大名電が東邦に敗れ、夏ノーシードに!シード校が決定<春季大会>

2024.04.23

【大学野球部24年度新入生一覧】甲子園のスター、ドラフト候補、プロを選ばなかった高校日本代表はどの大学に入った?

2024.04.21

【兵庫】須磨翔風がコールドで8強入り<春季県大会>

2024.04.22

【鳥取】昨年秋と同じく、米子松蔭と鳥取城北が決勝へ<春季県大会>