知念vs名護商工
夏のリベンジ!3年生の思いが9回に爆発!
知念・大城拓巳
「夏、負けてしまった名護商工さん。3年生の思いを継いだ新チームが良くやってくれました」。試合後、大城監督は涙ぐみながら振り返った。
去った選手権沖縄大会の1回戦で知念は名護商工と対戦。田港を捉えることが出来ず2対4で敗退した。あれから約3ヶ月後、再び名護商工と対戦した知念だが、力のある3年生が抜けた新チームはやはり、苦戦を強いられてしまった。
先制したのは名護商工。1回、エラーと大城秋平のライト前ヒットで一・三塁とすると3番宮里のレフトへの当たりで1点を奪った。追い掛ける知念は2回、一死一塁から外間愛都(ほかま・あきと)と大城拓巳の連打で満塁とする。しかしここは名護商工・田港朝希が踏ん張り得点には至らない。2回にも2安打で追加点をボードに刻んだ名護商工。その勢いを止めたのはエース大城拓巳だ。3回以降立ち直ると、8回までの6イニングをヒット僅か1本のみに抑えていった。
すると打線は5回、大城拓巳がレフト前ヒットで出塁すると犠打と内野安打で一・三塁。ここでベンチは2番糸数辰輝にスクイズのサイン。膝を地面に折るほどの低目を糸数がキッチリと転がして前半で1点を返した。
8回、知念は二死無走者から3番山城響と宮城隆弥に連続ヒットが生まれる。ここで相手のエラーが絡み、宮城のヒットで三塁まで達していた山城響が一気に生還。ついに同点に追い付いた。さらに四球と内野安打で満塁と攻め立てたが、田港の粘り強いピッチングもあり逆転は叶わなかったが、既に流れを引き寄せていた。
9回、2本のヒットと四球で満塁とすると打席には再び山城響。思い切り振り抜いた打球はライトを襲う走者一掃のタイムリー三塁打となり遂に逆転。続く宮城隆弥がスクイズを成功させ、試合を決定づけるビッグイニングとなった。名護商工もその裏、2本のヒットを記録するなど意地を見せたが、最後は大城拓巳が投ゴロに斬りゲームセット。スタンドから後輩に声援を送り続けた3年生たちの、期待に見事応えた好試合だった。
(文=當山 雅通)