試合レポート

水戸葵陵vs総和工

2016.09.24

水戸葵陵が県大会初戦突破!エース右腕・上林賢士郎が完封で総和工を下す

水戸葵陵vs総和工 | 高校野球ドットコム

水戸葵陵・上林投手

 今日の茨城県大会は3つの会場で試合が予定されていたが、[stadium]茨城県営堀原運動公園野球場[/stadium]と[stadium]笠間市民球場[/stadium]の4試合は午前7時の時点で順延が決定。しかしながら、人工芝である[stadium]ひたちなか市民球場[/stadium]の2試合だけは決行されることとなった。シートを敷いていたおかげか、グラウンドコンディションは良好だ。心配された雨もまったく降っていない。

 前日は、シートノックまで終えながら、大雨により試合開始の直前で順延が決まったこの一戦。

 先攻・総和工は背番号10の右腕・長谷川 大樹(2年、岩井中)が、後攻・水戸葵陵は背番号1の右サイド・上林 賢士郎(2年、世田谷西シニア)がそれぞれ先発を任された。

 2回表、総和工は先頭の4番・櫻井 涼(1年、常総シニア)がセンター前ヒットで出塁するが、5番・鈴木健修(2年、常総シニア)は送りバントがファールとなり、フルカウントからサードゴロゲッツーに倒れチャンスを作れない。

 4回表、総和工は先頭の2番・霜田 成矢(2年、常総シニア)が死球で出塁し、3番・瀬田 勝徳(2年、常総シニア)は強攻策に出るが、インローのシンカーでサードゴロに倒れ進塁打を放てない。一死一塁とし、4番・櫻井もサードゴロゲッツーに倒れチャンスを作れない。

 ゲッツーで凌いだ水戸葵陵は4回裏に初ヒットから得点が生まれる。

 先頭の1番・立原 宗幸(1年、水戸四中)が真ん中高めのストレートをレフトフェンス際まで運ぶスリーベースで出塁すると、2番・亀田 直人(2年、友部二中)のライト線ツーベースで1点を先制する。さらに犠打と死球で一死一、三塁から一塁への牽制悪送球で1点。なおも一死二塁とし、5番・川崎 皇翔(1年、笠原中)が一二塁間を抜けるヒット(定位置正面のゴロだが二塁手がセカンドベースの真横にポジショニング)を放ち、二走・和田 武志(1年、水戸シニア)が本塁に突入するが、好返球によりタッチアウトとなる。

 5回裏、水戸葵陵は連続四死球と犠打でで二死二、三塁のチャンスを作るが、セカンドリードでプレッシャーをかけようとする意識が裏目に出て三塁牽制タッチアウトとなる。

 6回表、総和工は先頭の9番・荒川 俊太(1年、総和中)がショートへの内野安打で出塁し、送ってこの試合で初めてスコアリングポジションにランナーを進めるが、後続の2人はセカンドゴロに打ち取られる。


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総和工・長谷川投手

 7回裏、水戸葵陵は一死から、5番・川崎が右中間へのツーベースで出塁すると、二死二塁から7番・野原 海都(1年、旭中)のセンター前タイムリーヒットで1点を追加し、その差を3点に広げる。打者走者・野原は返球の間に二塁に到達する。

 総和工ベンチはここで2番手に背番号1の左腕・大竹 凌大(2年、常総シニア)を送る。なおも、二死二塁とし、8番・嶋根 寛大(2年、城里常北中)はストレートの四球で二死一、二塁とチャンスを広げるが、9番・齋藤 翼(2年、水戸五中)は追い込まれてからファールで粘るも、最後は空振り三振に倒れ追加点は奪えない。

 8回表、総和工は先頭の7番・功刀 拓己(1年、常総シニア)が四球、8番・大竹がレフト前ヒットで無死一、二塁。9番・荒川は2球続けて送りバントがファールとなる。なんとしても送って上位につなぎたいところだが、3球目のスリーバントはピッチャー前の強めの当たりとなり、三塁封殺で送ることができない。一死一、二塁となり、1番・諏訪 智也(1年、常総シニア)はショートゴロゲッツーに倒れチャンスを広げることができない。

 8回裏、水戸葵陵は先頭の1番・立原がレフト前ヒットで出塁し、送って一死二塁から、3番・上林がライト前ヒットでつなぎ一死一、三塁とする。しかし、後続は凡退して追加点を奪えない。

 9回表、総和工は先頭の2番・霜田がセンター前ヒットで出塁し、盗塁と四球で一死一、三塁のチャンスを作るが、5番・鈴木はセカンドゴロゲッツーに倒れ試合終了となる。

 水戸葵陵はエースの右サイド・上林賢士郎が9イニングで被安打5、与四死球3で完封勝利を収めた。水戸葵陵のバッテリーは、上林のスライダーとシンカーのコンビネーションを生かすためにインコースを徹底的に突いてくる。上林の最速は121キロと凡庸だが、ランナーを背負ってからの内野ゴロを打たせる配球、特に右打者へのシンカーが面白いように効いた。

 バックも好守を連発して上林を守り立てた。特にサードの和田 武志は強烈な打球を幾度となくさばいてピンチを凌いだ。

 打撃では1番・立原 宗幸が強烈なスイングで、グシャリと潰れるような打球音がスイングの強さを象徴していた。

 水戸葵陵は次戦、日立一と対戦する。

 強打を標榜する総和工は、水戸葵陵・上林の術中にはまり強攻策がことごとく裏目に出て4つの併殺打を記録。長打は無く散発5安打の無得点に抑えられた。

 投手陣は先発の長谷川 大樹が7・2/3イニングで被安打5、与四死球3、3失点。最速126キロとそこまでの球速はないので、春までに球威を付けることを期待する。

 後を任された大竹凌大は失点こそ無いものの1・1/3イニングで被安打2。最速131キロだが平均は125キロ。前回観た時よりも球威が乏しい印象を受けた。課題としてはセットポジション時のクイックモーションが挙げられる。左腕を一度下げて右足を挙げるフォームは、握りが見える上に始動から投球までに時間を要する。7回裏二死一、二塁では、二走・野原にフォームを完全に盗まれスタートを切られた。スケールの大きな投手であるので、一冬越して全体的にパワーアップした姿を見たいものだ。

(取材・写真=伊達 康

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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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