試合レポート

東海大菅生vs日大三

2016.07.26

東海大菅生・伊藤 奪三振10の完投で日大三を破る

 個々の選手のレベルの高さを考えると、西東京の横綱対決と言っていい試合。東海大菅生はエースの伊藤壮汰が、日大三は背番号9の櫻井周斗が先発した。

 試合は2回裏東海大菅生が、5番本橋実生の中前安打、7番伊藤の左前安打などで一死一、三塁とし、8番小玉佳吾がきっちり中犠飛を打ち、1点を先制する。

 3回裏東海大菅生は、三失で出塁した2番田中幹也を、3番落合宏紀がレフト線に落ちる二塁打を放ち、1点を追加する。

 5回裏には、1番小田桐陸が中前安打で出塁し、2番田中は捕手の前に落ちるバントをするが、これを日大三の捕手・坂倉将吾が一塁に悪送球。4番深澤祐太の右犠飛で1点を追加。さらに5番本橋の遊ゴロを、日大三の遊撃手・木村慧士から一塁への送球がややそれる間に、二塁走者の田中が一気に生還した。

 田中は1年生。守備でもたびたび好プレーを見せており、守備、走塁、打撃に野球センスの良さが光る1年生だ。

 一方、東海大菅生のエース・伊藤のスライダーはまさにキレキレ。しかも、素直なストレートはほとんどなく、小さな変化をかけており、4回まで1人の走者も出さない。

 ただ1度だけピンチになったのは、5回終了後のグラウンド整備で間を置いた後の6回表だけだった。この回日大三は、代打の古田虎支郎が右中間スタンドに飛び込む本塁打を放ち、反撃を始める。

 さらに9番木村が内野安打で出塁すると、すかさず二盗。捕手からの送球が木村に当たり、それる間に木村は三塁へ。1番で主将の宮木紳道の左前安打で木村を還し、追い上げる。

 しかしここからの投球は全く危なげない。5回裏の途中から登板した日大三の2番手・岡部仁も好投し、スコア的には、4-2という緊迫した状況が続いたが、東海大菅生が逃げ切った。

 伊藤は奪三振10、被安打5、失点2、自責点1の完投。エースらしい貫録の投球であった。

 日大三は3年続けて準決勝で敗退。前のチームからエース格であった背番号1の小谷野楽夕が、肘の故障で投げられなかったのは、痛かった。それでも、サポート役に徹してチームを支える小谷野の姿は、印象に残った。

 東海大菅生は3年連続で決勝進出。しかし過去2年は惜敗しているだけに、3度目の正直で甲子園出場を勝ち取りたいところだ。エース・伊藤は好調。1年生の遊撃手・田中の活躍で、攻守に幅ができたことで東海大菅生は、春よりは、間違いなく強いチームになっている。

(文=大島裕史

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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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