明大中野vs都立雪谷
勢いを加速させた4番の一発!明大中野・中野航太の3ランでお目覚め!都立雪谷を退ける
7月12日、明治神宮球場では2回戦3試合が行われた。
第1試合は、昨夏8強・明大中野と昨夏16強の都立雪谷の対戦。ともに初戦の強豪対決に、グラウンド上の選手はもちろんスタンドの応援団も試合前から気合に満ちていた。
その気合が緊張感に代わったのだろうか。両チームともやや動きの硬い出だし。ともに満塁のチャンスを作ったりと1回表裏終了までに30分弱。だが得点は両チーム通じて都立雪谷がフィルダースチョイスで得た1点どまり。2回表には明大中野が9番・飯島 湧太のタイムリーですぐさま同点に追いつくなど、一筋縄ではいかなそうな雰囲気が球場を包む。
そんな中、都立雪谷は3回には6番・田中 雄稀のタイムリー、4回には2番・藤﨑 翔太、3番・三木 隼斗の連続タイムリーツーベース等で4回終了までに4対1とリードを広げ、徐々に表情に柔らかさが出始める。
ここまで攻守ともいまいち乗り切れない明大中野だったが5回表、無死満塁のチャンスを作り出すと、5番・小林 篤の犠牲フライで1点を返しなおも一死一二塁。ここで打席に入るのは、4回裏から登板し、ピンチを切り抜ける活躍を見せた大竹 義輝。大竹はバットでも期待に応え、走者一掃となる2点タイムリーツーベースを放ち、明大中野は同点に追いつく。さらに二死満塁からのワイルドピッチで1点を追加。打者一巡の攻撃で4点を奪い、5対4と逆転に成功する。
コツコツと積み上げてきたリードを奪われ黙っているわけにはいかない。都立雪谷はその裏、2つのエラーで無死一二塁のチャンスを得ると、8番・萩原 慶のタイムリーで同点に追いつく。
だが、試合の流れは勢いづいた明大中野にあった。
6回表、先頭の2番・小原 壮太がツーベースで出塁、3番・今関 凌雅も四球で続き、ランナーをためる。続く4番・中野 航太が放った打球はフワフワと伸びていきレフトスタンドへ飛び込む勝ち越しの3ランホームランに。この回さらにスクイズで1点を追加した明大中野が9対5と一気にリードを広げる事に成功した。
都立雪谷もその裏、二死一塁から連続内野安打で満塁まで攻める。6番・田中の打球は外野へ抜けようかという当たりだったが、明大中野サード・飯島 湧太が体を上手く伸ばしてキャッチ、素早くベースへと走るファインプレーを見せ、アウト、得点ならず。
こうなると、勢いは明大中野に。8回にもその飯島のタイムリーで1点を加えた明大中野は、9回にも打者一巡、5点を奪い15対5と大量リードに成功。都立雪谷は9回裏に1点を返すのが精いっぱい。強豪対決は、劣勢を跳ね返すのみならず勢いを加速させた明大中野が15対6で勝利を飾ることとなった。
(文=青木 有実子)
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