糸満vs大阪桐蔭
「King of King」相手に好ゲーム!
好投をみせた平安 常輝(糸満)
6月11日、[stadium]北谷公園野球場[/stadium]にて沖縄県高校野球連盟主催の招待野球試合が催された。今年招待したのはKing of Kingと呼んでも良い大阪桐蔭。甲子園を4度も制覇している屈指の強豪校の胸を借りた、春季大会優勝の糸満と同準優勝の豊見城も、大変良い経験となったのではないだろうか。ではその2試合を振り返ってみよう。
午前9時、招待野球のオープニングセレモニーが執り行われた。沖縄県高校野球連盟上原昇会長から、大阪桐蔭の来沖を歓迎する言葉が述べられ、続いて有友茂史部長から西谷浩一監督以下、大阪桐蔭の選手たちが次々に紹介されていった。
10時試合開始。観衆の興味の多くは、大阪桐蔭の打棒がどんなものなのかにあったかと思うが、それを見事に覆したのが糸満のエース平安常輝だった。
1回、2回と四球の走者を出すも二塁を踏ませず。そして何と、6回を終えてノーヒットピッチングという快投を見せつけたのだ。「低めの制球が抜群な良いピッチャーだったね。こちらはそこを見極めるように選手たちに指示したのですが。」夏へ向けて、まだまだ好球必打が出来ないという課題が見つかったことが一番の収穫と、試合後の西谷監督は語った。
7回、4番三井健右にセンターを襲う二塁打が飛び出したが次打者もライトフライに倒れて無得点。8回、3者連続で代打を送るも三者凡退と、僅か1安打ではどうしようも無かった。だが9回、大阪桐蔭打線が平安に牙を剥く。
先発・徳山 壮磨(大阪桐蔭)
先頭の中山遥斗がレフト前に運ぶと一死後、吉澤一翔も続く。そして三井がセンター前へクリーンヒットを放ちようやく1点を奪った。次打者も四球を選び満塁。土壇場で見せた大阪桐蔭打線のプレッシャーに、平安は動揺したのだろうか。初球にワイルドピッチを犯してしまい三塁走者が生還する。さらに福井章吾の打球は平安の側に。これを平安がキャッチ出来ず3点目が入った。
二死後、8回の代打に続くこの試合2打席目の川中龍太郎が、センター前へと弾き返してついに1点差に迫った。だか最後は平安がセカンドゴロに打ち取ってゲームセット。糸満が辛くも勝利を手に入れた。
その糸満で、平安以外に光ったのは3安打を放った糸満大城翔太郎と3打点を挙げた大城裕靖。
4回まで無得点だったが5回、二死から8番北河佑樹にヒットが生まれると、神里尚樹、糸満大城翔太郎、そして大城幸雅と4打者連続ヒットを記録して先制した糸満。さらに6回一死一・二塁とすると大城裕靖のセンター前タイムリーで追加点。そして8回、大阪桐蔭が先発の徳山壮磨に代えて送った江島幸ニが制球に苦しむ中、二つの四球とバントヒットで満塁とすると、押し出しの四球を選び3点目を刻む。そして大城裕靖の2点タイムリーが飛び出し合計5点を奪った。
第1シードとして迎える夏へ向けて、大阪桐蔭を相手に好ゲームを演じた糸満にとって、これ以上ない自信を選手たちに与えたことだろう。2年連続準優勝の先輩たちの無念は、オレたちが優勝して晴らしてみせる!その意気込みが感じられる糸満の戦いぶりであった。
(文=當山 雅通)
【両軍先発オーダー】
大阪桐蔭 | TEAM | 糸満 | ||
守備位置 | 氏名 | 打順 | 守備位置 | 氏名 |
遊撃 | 中山 | 1番 | 中堅 | 大城翔 |
二塁 | 永廣 | 2番 | 二塁 | 大城幸 |
三塁 | 吉澤 | 3番 | 左翼 | 徳元 |
右翼 | 三井 | 4番 | 投手 | 平安 |
一塁 | 古寺 | 5番 | 捕手 | 桃原 |
左翼 | 福井 | 6番 | 一塁 | 上良 |
中堅 | 松山 | 7番 | 三塁 | 大城裕 |
捕手 | 栗林 | 8番 | 遊撃 | 北河 |
投手 | 徳山 | 9番 | 右翼 | 神里 |