北野vs生野工
進学校が15得点の猛攻でコールド勝ち
3番・北野嘉一(北野)
東大、京大、阪大・・・野球部からも難関国立大学合格者を輩出する進学校・北野の練習時間は長くない。18:15が完全下校となるため17:30頃には練習が終わる。しかも平日にグラウンド全面が使えるのは週に1日だけで、2日間は全く使えない。他の部活動との共有の日は陸上部が走る度にノックが中断される。
そんな限られた環境の北野だが初回に4番・清水 陽斗(3年)のタイムリーで先制すると、一死二、三塁から大西 泰誠(3年)の放った鋭い打球が生野工業の先発・飯村 太一(3年)のグローブを弾く。打球は前進守備のショートでは追いつけないところまで転がり2者が生還。2回戦・懐風館戦でコールド勝ちした勢いそのままにいきなり3点を先制した。
その裏、同じように一死二、三塁のピンチを背負うと鋭い当たりのゴロを捕球したショート・大谷 将生(3年)は前進守備ではなかったが判断よくホームに送球。三塁走者を三、本間に挟んで生還を防ぐと最後は行き場を失った二塁走者を殺した。
大きなピンチを凌ぐと4回に打線がつながる。連打と四球で無死満塁のチャンスを作り、9番・林 大誠(3年)が三遊間を真っ二つ。さらに打順がトップに返り1番・宮田 賢輔(3年)も全く同じコースに鋭い打球を飛ばす。右の林が力強く引っ張り、左の宮田はキレイに流し打つ。大谷は併殺打に倒れたが3番・北野 嘉一(3年)もレフト左へキレイな2点タイムリーを放ちこの回一挙4得点。6点リードの7回、コールド成立まであと1点という終盤でも攻撃の手を全く緩めず打者12人を送り込む猛攻で7得点を挙げた。
「集中力に波あるんですけど、スイングの速さや肩の強さは良いものを持ってる」小谷内 和宏監督がこう評する今年のチームは近年の中では屈指の実力を誇る。そのチームを引っ張るのがキャプテンの宮田。「ムードメーカーでリーダーシップも優れてる子。よく率いてくれている」と監督からの信頼も厚い。「積極的な姿勢、『行くぞ』という心構えをチームに見せてくれる」と冬が明けてからはずっと1番での起用が続く。宮田はその期待に応えこの日も5打席全て出塁し3度ホームを踏んだ。頼れるキャプテンも「みんな調子良い感じで大会入れて、その結果が出てると思います。監督さんからは自分達の野球したら勝てると言われているので、自分達の野球して行けるとこまで行きたいです」とまだまだ止まるつもりは毛頭無い。
1回戦の大阪産大附戦はシーソーゲームの末、7対6の1点差勝利。最後は二死満塁のピンチを凌ぎ、競り勝った。そして、その後は2試合続けてのコールド勝ち。大阪が誇る秀才軍団のチーム状態は確実に上昇カーブを描いている。
(取材・写真=小中 翔太)
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