試合レポート

育英vs東播磨

2016.04.09

主将・中塚の本塁打が決勝打!育英が完封勝利!

育英vs東播磨 | 高校野球ドットコム

ホームランを打った中塚(育英)

 伝統校・育英加古川北を甲子園に導いた福村順一監督率いる東播磨の一戦は1点を争う好勝負となった。この一戦を振り返っていきたい。

 先制したのは育英。1番中塚京佑(3年)の本塁打で1点を先制。以前から巧打・俊足の選手だったが、だいぶパンチ力が出てきたといえる。

 だがそれからは両投手の投手戦。山本 宵吾(3年)は、去年よりもテイクバックを小さくし、和田毅(現・ソフトバンク)を意識した投球スタイル。常時125キロ~132キロの速球だが、出所が見難いので、打ち難さを感じる。120キロ前後のカットボールとのコンビネーションも良く、リズムよく打者を打ち取る。見ていて心地が良いので、守る野手からすれば非常に守りやすい投手だ。

 ストレートの調子はマックスではないのだが、他の投手が投げる130キロでもボールの質、制球力などレベルが違う。さらに腕の振りが鋭く振れる形になると、なおいい。

 一方、東播磨の先発・作元 亮平(2年)は、なかなかの本格派右腕。ワインドアップから始動し、左足をゆったりと挙げて、真っ向から振り下ろす投手ではないが、すぐに投げず、いったんタメを作って投げる投手。さらに一定の間合いで投げないので、実はタイミングが取りづらい。育英の各打者がタイミングを取るのに苦労したり、またストレートも力があるので、振り遅れが見えた。なかなか点を取れずに苦しんでいたが、8回表、育英は二死一、二塁から2番矢野雅哉(3年)が甘く入ったボールを捉え、右中間を破る適時打で2対0とする。

 山本は最後に乱れず、締めて、3安打完封勝利。3回戦進出を決めた。山本の安定感、投手としての筋の良さはさすが。球速では測れない魅力が山本にはある。それは後日、詳しく触れていきたい。
 東播磨は作元が試合を作った事は夏へつながるはずだ。

(文=河嶋 宗一

育英vs東播磨 | 高校野球ドットコム
注目記事
2016年度 春季高校野球大会特集

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

関連記事

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.04.30

【春季栃木県大会】夏への布石が着々と成果を挙げた! 文星芸大附が堅い守備で完封勝利!ドラフト候補・堀江は最速146キロをマーク

2024.04.30

【北海道】昨秋優勝の旭川実と春季連覇中の旭川明成が初戦で激突!<春季全道大会支部予選組み合わせ>

2024.04.30

大阪大などに卒業生を輩出する進学校・三国丘  文武両道を地で行く公立校は打倒・強豪私学へ「何かしてやりたい」

2024.04.30

【岩手】宮古、高田、久慈、久慈東が県大会出場へ<春季地区予選>

2024.04.30

【春季愛知県大会】享栄がまとまりの良さを見せて、豊川に完封勝利で決勝進出

2024.04.29

【全国各地区春季大会組み合わせ一覧】新戦力が台頭するチームはどこだ!? 新基準バットの及ぼす影響は?

2024.04.26

今週末に慶應vs.横浜など好カード目白押し!春季神奈川大会準々決勝 「絶対見逃せない注目選手たち」!

2024.04.26

古豪・仙台商が41年ぶりの聖地目指す! 「仙台育英撃破」を見て入部した”黄金世代”が最上級生に【野球部訪問】

2024.04.28

【広島】広陵、崇徳、尾道、山陽などが8強入りし夏のシード獲得、広島商は夏ノーシード<春季県大会>

2024.04.28

【岡山】関西が創志学園に0封勝ちして4強入り<春季県大会>

2024.04.23

【大学野球部24年度新入生一覧】甲子園のスター、ドラフト候補、プロを選ばなかった高校日本代表はどの大学に入った?

2024.04.21

【兵庫】須磨翔風がコールドで8強入り<春季県大会>

2024.04.22

【鳥取】昨年秋と同じく、米子松蔭と鳥取城北が決勝へ<春季県大会>

2024.04.29

【全国各地区春季大会組み合わせ一覧】新戦力が台頭するチームはどこだ!? 新基準バットの及ぼす影響は?

2024.04.05

早稲田大にU-18日本代表3名が加入! 仙台育英、日大三、山梨学院、早大学院の主力や元プロの子息も!