試合レポート

札幌第一vs北海道栄

2015.10.12

全道中にテレビとラジオで生中継される決勝は今年も好勝負!

札幌第一が全道199チームの頂点に!

 1対1で迎えた8回裏、札幌第一は二死一、三塁のチャンスからエースで主将の8番・上出拓真(3年)が二遊間を抜ける決勝タイムリー。投げても北海道栄を3安打1失点(自責点0)に抑え、札幌第一が5度目の挑戦で初の全道チャンピオンに輝いた。

 「嬉しいです。打者一人一人の負けない気持ちで投げました。(8回のタイムリーは)直球が来たら振ると決めていた。芯で捕えたので抜けたと確信しました」とエースで主将はお立ち台で嬉しそうに話した。

1回からチャンスを作っていた札幌第一だったが、北海道栄のエース・金澤祐汰(2年)から得点に繋がる一本が打てない。さらに守備のミスで1回に失点。前日の準決勝で【スミ1完封】をやっていただけに、今度は逆にやられるのではないかと感じるもどかしい流れだった。

 それでも流れを完全に相手に渡さなかったのは、上出のピッチングに尽きる。1点を与えた直後の2回は三者三振。3回に初安打を浴びても、牽制で走者を刺した。バックも2回以降は無失策。ポジショニングも冴え、ピンチになってもエースを盛り立てる守備を見せた。

 そして6回裏。一死一、二塁で打席に立った上出に幸運が訪れる。1球目が相手のバッテリーミス(暴投)となり、二人の走者がそれぞれ進塁。さらに相手守備陣が極端なバックホームシフトを敷かなかったため、上出がショートゴロを放った間に三塁走者の銭目悠之介(2年)が同点のホームを踏んだ。


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2015年秋季大会

優勝旗授与 上出拓真主将(札幌第一)

 結局攻撃した8イニング中7イニングで先頭打者が出塁したが、追いついてしまえば後攻めの利点もあり、もどかしさは消える。8回、上出の放った決勝打は低めの直球で打者にとっては難しいコースだった。もどかしさが残っていたならば、ヒットにはならなかったかもしれない。勝負のアヤと感じる一打であった。

 一方、敗れた北海道栄は上出の前の打者である7番・佐藤眞那人(1年)への二つの四球が悔やまれる。特に6回の同点になる前は追い込んでいただけに、もったいないと思える四球だった。ただ準決勝で温存でき、中3日と休養十分の条件を与えてもらった金澤のピッチングは見事。決勝に関しては、ほんの少しだけ勝ち運がなかっただけと言えるだろう。

 北海道栄の選手は、勝者インタビューが球場内に響く後ろで、ベンチで悔し涙に暮れていた。毎年見られる秋の北海道決勝の光景である。ただ渡辺伸一監督がすぐにミーティングをすると、選手の表情は引き締まった。今夏南北海道代表の北海も、昨秋は決勝で敗れている。この日の[stadium]旭川[/stadium]での涙を来夏[stadium]札幌円山[/stadium]で喜びに変えるべく練習を積んでほしい。

 さて、全道199チームの頂点に立った札幌第一。「もう一度守備を鍛えて、現時点での自分達の力を知りたい」と上出主将は出場が決まった秋の日本一決定戦である11月の明治神宮大会を見据えた。


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2015年秋季大会

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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