都立久留米西vs都立八王子桑志

本塁打を喜ぶ島田（都立久留米西）

　昨年秋の新チーム編成期。
2年生部員1名、1年生マネージャー1名となった都立八王子桑志野球部。連合を組んでいた東京工業高専が単独チームとなったことで、大会出場のための部員集めから始まったこの春。そして、新入部員と助っ人で単独出場となったこの夏は、1回戦敗退となるも、たった二人で灯し続けた都立八王子桑志野球部の火は燃え続けていた。

　[stadium]岩倉高校西東京運動場[/stadium]で行われた、秋季東京都大会 第20ブロック 1回戦第二試合。正式部員6名、助っ人3名という編成の都立八王子桑志と、都立久留米西の対決。

　しかし試合は、攻めの姿勢を貫いた都立久留米西が、5回コールドで都立八王子桑志を下す展開となった。

　初回から、都立久留米西の猛攻が都立八王子桑志に襲いかかる。
1番坂本（拓）、2番近藤、3番林の連打で無死三塁とすると、都立八王子桑志・先発廣瀬が痛恨の四球を与えることで、都立久留米西が先制に成功。その後は、都立八王子桑志のエラーや四死球で、この回だけで8点を都立久留米西が挙げることとなった。

　反撃をしたい都立八王子桑志であるが、安打を放つことができない。せめて守りからでもリズムを作りたい都立八王子桑志は、2回裏には、打者一巡を許した初回とは打って変わって、都立久留米西を三者凡退に抑えることに成功。

　しかし、3回表には、都立久留米西2番近藤、4番島田の適時打、パスボールなどで再び4点を失う。さらに、4回表には、4番島田の2ランホームランも飛び出し、4回終わって16対0と都立久留米西が大きなリードを得た。

　意地を見せたい都立八王子桑志は、4回裏に4番で主将の渡邉がチーム初安打となる中前安打を放つも、得点はできず。

　最終5回表には、都立久留米西が9番坂本（匠）の犠飛で駄目押しの1点を追加し、試合終了。17対0で最後まで攻撃の手を緩めなかった都立久留米西が都立八王子桑志を破り、二回戦へと駒を進めた。

都立八王子桑志を引っ張る捕手・渡邉

　大敗となった、都立八王子桑志。
試合後、「まだまだ一年生しかいないチームですね。また、野球経験者は半数ほど。まずは、しっかりと野球をやるところから始めなければいけません」と東濱監督は語った。現在の正式部員は6人であり、今回は助っ人を3名借りての試合となった。野球のルールから教え始めた新チームであるが、上級生はおらず、この春、部員集めに精を出した迫田マネージャーが唯一の上級生。迫田マネージャーも、選手のお姉さん的存在として、日々足を動かす。

　しかし、人数は少ないとはいえ、勝負の世界。結果がついてくるものであり、東濱監督も「今は、野球をやることだけで精一杯ですが、少人数でも練習にしっかりと打ち込み、後から結果がついてきてほしいです」と語る。夏の敗戦を経験したメンバーは、それが刺激となっていたようだが、この夏で少しその悔しさが薄れ始めていた。今回の敗戦を機に、再び奮起することに期待をしたい。

　「いろいろな人の協力があって今のチームがあるので、すこしでも成長していきたいです」と語る東濱監督。都立八王子桑志の野球部の火をさらに燃え上がらせることができるか、来年春の姿が楽しみである。

　勝った都立久留米西は、二回戦都立練馬との対戦となる。今回の大勝で勢いに乗ることができるか、本塁打を放つ打力に二回戦でも注目したい。

（文＝高校野球ドットコム編集部）