北条vs東温
タレントたちに加えるべき「基礎の野球観」
北条先発・渡邉 潤(2年)
愛媛北条が先制し、東温が追い、9回裏一死満塁という東温のサヨナラ機を、愛媛北条2番手・堺 優斗(2年・右投右打・169センチ62キロ・今治市立菊間中出身)が懸命に凌いだ好ゲーム。さらに「個」の観点から見ても興味深い一戦となった。
勝った愛媛北条で1人あげるとすれば新チーム主将にも就任した先発左腕・渡邉 潤(2年・179センチ66キロ・左投左打・松山市立内宮中出身)。現在は「これまでは上半身のキレだけで投げていたので、下半身を使ったフォームに変えている途中」(澤田 勝彦監督)。
7回3分の1で4失点と本調子とは程遠い出来でも10三振を奪える能力は、やはり非凡ではない。
さらにこの試合、愛媛北条は3安打の5番・越智 彪太(2年・左翼手・左投左打・168センチ74キロ・松山市立内宮中出身)、好守のスピード感で魅せたリードオフマン・三嶋 大輔(2年・中堅手・177センチ58キロ・右投左打・えひめ港南リトルシニア出身)ら、敗れた東温も5回裏にはエースで4番・主将の丹 翔也(2年・右投右打・181センチ88キロ・松山ボーイズ出身)が左中間に豪快な2ランを放つなど、数多くの選手たちがいいプレーを見せた。
だからこそ、彼らにはもう一段階高いポジションを求めたい。不用意な配球で痛打を浴びた愛媛北条・渡邉、東温・丹の両エースに代表されるように、この試合では野球のセオリーを少し勉強しておけば防げる失点、奪えた得点が数多く存在した。
幸いにも愛媛北条には松山商で1996年夏・全国制覇の澤田監督、東温には済美コーチで2004年春・全国制覇を経験した和田 健太郎監督、竹本 治義コーチと両校には「基礎の野球観」を持った優秀な指導者がいる。自らの評価をさらに上げ、明るい未来を切り開くためにも。「次がある」秋だからこそ、あえて提言を記しておく。
(文=寺下友徳)
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