都立荒川工vs都立三鷹中等教育
エース福谷の好投!都立荒川工が二回戦へ!
エース福谷とマウンドに集まる内野陣(都立荒川工)
試合開始時から、どんよりとした雨雲が[stadium]帝京高校グラウンド[/stadium]を覆う中で始まった秋季東京都大会第10ブロック1回戦、本日の第三試合。都立荒川工と都立三鷹中等教育が激突する都立校同士の一戦であった。
試合は、途中雨が強くなりながらも、都立荒川工先発福谷が好投を見せた。
今年の夏からチームを引っ張る投手として活躍する福谷。福谷は、ホーム手前で右や左にボールが散るムービングボールと、ゆるい変化球を組み合わせた投球を見せるオーバースローの左腕である。都立荒川工、監督も「あえて手を加えずに、ムービングを投げさせています。今日は特に、完璧な投球でした。」と語るように、都立三鷹中等教育の打者は福谷のムービングに翻弄された。また、この日の福谷は制球力も冴え渡っており、インコースからアウトコースを投げ分ける投球で三振の山を築く。3回表には、三者連続三振を奪うなど、9回11奪三振完封の好投でチームを勝利へ導いた。
得点シーンは初回の都立荒川工の攻撃。
先頭は凡退となるも、2番板倉が中前安打で出塁し、3番福谷も敵失で出塁。二塁走者板倉は牽制死となり、バッテリーエラー、四球で二死一、二塁とする。ここで、右打者の5番松沢がライト方向に適時三塁打を放つ。都立三鷹中等教育の守備の乱れもあり、ランナー二人が還ることで、2対0と都立荒川工が先制に成功した。
しかし、その後は試合が膠着する。
都立三鷹中等教育は、都立荒川工先発福谷を攻めきることができず、2回、4回とランナーを三塁まで進めるも、ムービングボールを捉えたあと一打がでない。また、都立荒川工も2回から6回まで無安打と、都立三鷹中等教育先発縄田屋を打ち崩せずにいた。
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先発 縄田屋(都立三鷹中等教育)
そんな中、試合が動いたのは6回裏の都立荒川工の攻撃であった。
この回から都立三鷹中等教育は投手を縄田屋から清水へスイッチ。都立荒川工は、その変わったばかりの清水の立ち上がりを攻める。この回先頭の3番福谷が四球で出塁すると、犠打と内野安打、四球で一死満塁とする続く、7番鈴木(宝)の打球は野戦となり1点を追加。3対0と都立荒川工が貴重な追加点を挙げた。
何としても得点をしたい都立三鷹中等教育は、7回8回と得点圏までランナーを進めるも、最後の一発が出ない。
最後は、都立荒川工福谷が二者連続三振で試合を締め、勝負あり。3対0で都立荒川工が2回戦へと進出することとなった。
この試合は、少ないチャンスを確実にものにした都立荒川工に軍配があがった。都立荒川工が7安打であったのに対し、都立三鷹中等教育は5安打と、チャンスでの一本の差が点差となった。この攻撃面に関して、都立荒川工監督は「あまり打てないチームなので、決め事として、逆方向を意識することだけを徹底していました。」と語る。初回の得点シーンを振り返ってみると、右打者松沢がしっかりとライト方向へ打球を飛ばしており、逆方向への意識から生まれた先制点であったことがわかる。
好投手福谷を中心に、打撃に課題が残る都立荒川工であるが、「チームとしても、都立三鷹中等教育のアップ時の声など、参考になる部分がたくさんありました。」と監督も語るように、一戦一戦成長していく必要がある。秋大会は公式戦の経験を積むことで成長が見込める場であるため、今後の都立荒川工の成長に期待がかかる。
(文=高校野球ドットコム編集部)
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