試合レポート

都城vs聖心ウルスラ

2015.08.28

今チームこそ古豪復活なるか。都城が上々発進!

先発の瀬戸口(都城)

 新チームとなり、甲子園出場のチャンスは、残り2回。1年時から主力として活躍する都城山本由伸山本陽盛バッテリーがラストイヤーを迎える。

 都城は、今年の夏(第97回全国高等学校野球選手権宮崎大会)準々決勝で、甲子園出場を果たした宮崎日大に1対0の惜敗。試合展開からしても、事実上の決勝戦と言っても過言ではないほど、紙一重の敗北だった。
同大会で山本由はMAX146キロ(SOKKENスタジアム表示)をマークするほど、県内最速右腕にまで成長した。

 しかし、昨今のチームづくりにおいて、上に行けば行くほど、大エース1枚(=山本由)だけに頼るわけにはいかない。最低、投手2枚の整備は必須だ。

 新チームとなり、順当に地区予選を勝ち上がってきた都城。本大会1回戦(vs聖心ウルスラ)で、今チームこそ、そんなチームへ進化するか?と感じさせられる戦いをみせた。

 都城は、公式戦では1年生大会ぶりとなる左腕瀬戸口が先発し、4回を3安打、1三振、0封。二度の牽制死を奪うなど、要所を締めた打ち取るピッチングで傷口を広げない。一度も三塁を踏ませなかった。
エース山本由とは対照的に、ステップ幅が狭く、一癖ある独特のフォームが武器のサウスポー。リリースポイントが見える間がなく、制球よく投げ込まれる球は、打ち難さがある。

 次に、都城は、5・6回に右腕の濵田が、丁寧かつ力強く投げ込み、打者7人に対して2安打、1三振、1併殺、0封。2塁すら踏ませない合格点の内容だった。

 そして、サードを守っていた山本由が7回から登板。最終回に2失点したものの、セーフティーリードを守りきった。
瀬戸口と濵田、他投手を含め、エース山本由に追いつけ追い越せで、投手陣のチーム内競争が激化すれば、今チームこそ、もう一皮を破る都城になることが期待される。

 都城は、初回に右中越三塁打で出塁した2番小野川が内野敵失から生還。4回には、6番重満の左越適時三塁打。7回には代打福田がライト線に運ぶ適時打。8回には二死一三塁でダブルスチールが成功。そつなく攻めた都城が準決勝に駒を進めた。

 一方、聖心ウルスラ
最終回に、都城エース山本由から、先頭の2番能勢が右中間越三塁打で出塁すると、3番是則の内野安打と5番請関のフェンス直撃となる右越適時二塁打で2点を返す粘りをみせたが、あと一歩及ばなかった。
秋季大会はノーシード発進となるが、毎年、夏までに着実に力をつける聖心ウルスラ。本格派右腕エース柳田を中心に、今チームもタレント揃い。敵を脅かし、県内上位を競い合う存在になりそうだ。

(文=三角竜之


関連記事
・2015年秋季大会特設ページ
・宮崎県の関連コラムを一挙紹介!

2015年秋季大会

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

関連記事

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.05.15

【全国各地区春季大会組み合わせ一覧】新戦力が台頭するチームはどこだ!? 新基準バットの及ぼす影響は?

2024.05.14

大阪体育大の新入生に兵庫大会8強の145キロ右腕、金光大阪の1番センター、近大附の4番打者など関西地区の主力が入部!

2024.05.14

【春季東京都大会総括】日大三、二松学舎大附など強豪校がノーシードの波乱! 新基準バットでも9本塁打の帝京が驚異の打力で王者に

2024.05.14

【2024夏全国ノーシード校一覧】二松学舎大附、履正社、智辯学園、沖縄尚学などビッグネームがノーシードで夏に挑む

2024.05.14

広島「今季新戦力の現状通信簿」、新外国人の復活はなるか!?

2024.05.15

【全国各地区春季大会組み合わせ一覧】新戦力が台頭するチームはどこだ!? 新基準バットの及ぼす影響は?

2024.05.13

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在29地区が決定、愛媛の第1シードは松山商

2024.05.14

大阪体育大の新入生に兵庫大会8強の145キロ右腕、金光大阪の1番センター、近大附の4番打者など関西地区の主力が入部!

2024.05.13

大阪桐蔭、山梨学院、慶應義塾…強豪校・名門校の昨年度卒業生はどの進路を歩んだのか?【卒業生進路一覧】

2024.05.09

プロスカウトは190センチ超の大型投手、遊撃手、150キロ超右腕に熱視線!この春、浮上した逸材は?【ドラフト候補リスト・春季大会最新版】

2024.04.21

【愛知】愛工大名電が東邦に敗れ、夏ノーシードに!シード校が決定<春季大会>

2024.04.22

【春季愛知県大会】中部大春日丘がビッグイニングで流れを引き寄せ、豊橋中央を退ける

2024.04.29

【福島】東日本国際大昌平、磐城、会津北嶺、会津学鳳が県大会切符<春季県大会支部予選>

2024.04.22

【鳥取】昨年秋と同じく、米子松蔭と鳥取城北が決勝へ<春季県大会>

2024.04.23

【大学野球部24年度新入生一覧】甲子園のスター、ドラフト候補、プロを選ばなかった高校日本代表はどの大学に入った?