試合レポート

東海大相模vs横浜

2015.07.28

東海大相模・小笠原が7安打完封勝利を果たし、2年連続で神奈川制覇!横浜は渡辺監督の花道を飾れず完敗

 因縁の対決が今年は神奈川大会決勝でおこなわれることになった。東海大相模vs横浜。この強豪校同士の対戦を観ようと横浜スタジアムは10時開門と同時に超満員。2年連続で東海大相模が優勝を果たすのか。横浜は勇退を発表している渡辺 元智監督の花道を飾るために優勝し、甲子園出場を果たすのか。開始予定時刻の13時に試合は始まった。

 横浜の先発は前日同様、背番号11を着けた左腕・石川 達也。初回はスローボールを交えて、東海大相模の攻撃を抑えた。東海大相模の先発は注目左腕の小笠原 慎之介。初回からエンジン全開の投球でこちらも3人で抑えて、初回の攻防は時間がかからず終了した。

 試合が動いたのは4回表。東海大相模の攻撃。
この回先頭の1番・千野 啓次郎が二塁打で出塁。2番・宮地 恭平がしっかりと犠打を決める。一死三塁で迎えるは3番・杉崎 成輝。打った打球は高く跳ねて一塁手の上を抜けるタイムリー安打を放ち、まずは東海大相模が1点を先行。なおもチャンスは続き、6番・長倉 蓮の右前タイムリーで1点追加。打った打球が相手ミスを誘い、一塁走者の豊田が生還。東海大相模が3対0と先制し、リードを広げることに成功。

 東海大相模、5回表の攻撃。ここで横浜は石川を左翼手に回し、藤平 尚真をマウンドへ。東海大相模打線に連打を許したが、ここはしっかりと抑えた。

 やられたままでは終われない横浜が6回裏、遂に反撃。
二死から2番・戸堀 敦矢が左前安打で出塁。そのまま二盗を成功させ、二死二塁。3番・三河 聖夫が四球で繋ぎ、二死一、二塁。ここで4番・公家 響が遊撃内野安打を放ち、二死満塁の大チャンス。得点機がなかった横浜がここで捉えた。5番・石川 達也に逆転への道筋を託されたが、小笠原の変化球に振らされ三振。絶好のチャンスであったが得点ならなかった。


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第97回全国高等学校野球選手権大会

 東海大相模が7回表の攻撃で爆発。
この回先頭の9番・小笠原 慎之介が二塁打で出塁する。チャンスが続き、無死一、三塁にすると2番・宮地が4点目となるタイムリー。迎える3番・杉崎が横浜・藤平の速球を打った打球はグングン伸びていき、[stadium]横浜スタジアム[/stadium]の一番深いとこに突き刺さる3ラン本塁打を放ち、東海大相模が4点を追加し、7対0。2年連続優勝に向けて、大きすぎる4点が入った。

 続く8回表にも東海大相模は宮地、杉崎のタイムリーで2点追加。横浜の代わった春日井 静斗北山 比呂から奪った。9対0で東海大相模がリード。

 迎えた横浜、最終回の攻撃。
立ちはだかった東海大相模・小笠原の壁は横浜にとっては厚く、3人で凡退してしまい勝負が決まった。

 東海大相模が9対0で宿敵・横浜を破り、2年連続で神奈川大会優勝を果たした。
試合が終わってみると東海大相模が9得点を奪い、攻撃力で圧勝。先発の小笠原は結果的に7安打完封勝利。初回からエンジン全開の投球は終盤まで疲労をみせることなく、横浜を力で抑え込んでみせた。東海大相模は縦縞のプライドをもって2年連続で甲子園へ出場し、昨年1回戦で敗れた雪辱を晴らしにいく。

 渡辺 元智監督が勇退ということでなんとか花道を飾ってあげたい横浜であったが、小笠原を打てず完敗。横浜は今大会1回戦からの登場でここまで、勝ち抜いてきたが今日が8試合目ということや、接戦の試合が多かったため投手、野手共に疲労を感じている場面が見受けられた。しかし、今日で渡辺監督は勇退。最後には胴上げもされ、応援スタンドからは「今までありがとう!」の声が多く聞こえ、惜しみない拍手が渡辺監督には送られた。そして今秋より、部長から平田 徹先生が監督に就任。下級生も多く出場していたことから、次は選抜出場を見据えて戦っていきたいところだ。新生・横浜の戦い振りには注目が集まるであろう。

(文=高校野球ドットコム編集部


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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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