試合レポート

東海大相模vs日大藤沢

2015.07.27

東海大相模 久々の速攻劇でコールド勝ち!

 勢いで勝ち上がってきた日大藤沢に対し、2年連続の甲子園を目指す東海大相模が速攻劇で圧倒した。

 日大藤沢の先発・滝川遼太は速球が武器の投手。ステップ幅が狭く、上体を鋭く振る、スリークォーターのフォームから繰り出す135キロ前後のストレート、スライダーでコーナーで投げ分ける投手だが、これまで好投手を攻略してきた東海大相模は、2番宮地恭平(3年)が中前安打で出塁すると、すぐに宮地が盗塁を決めると、二死二塁から4番豊田寛(3年)がライトへ本塁打を放ち、2点を先制する。

 東海大相模の猛攻は3回裏、二死から豊田が二塁打を放つと、5番磯網栄登(3年)の適時二塁打、6番長倉の適時二塁打で4対0とすると、5回裏、一死二塁から3番杉崎成輝(3年)の二塁打で5対0とすると、さらに一死二、三塁から6番長倉蓮(3年)が右中間を破る適時二塁打で7対0と差を広げると、そして一死一、三塁から川地の内野安打で1点を追加し、8対0にする。この日の東海大相模は打撃、走塁ともに積極性があり、らしさを感じる攻撃ぶり。

 投げては吉田凌(3年)が好投。この日も、140キロを超えるボールはなかった。だが135キロ~130キロ後半の直球、縦スライダー、カーブ、スライダーをテンポよく投げ分ける投球で無失点投球。今は140キロ以上の速球を出すことにこだわりがない。しっかりと割り切った投球に映った。こういうコントロール重視の投球からしっかりと体ができて投球に反映できれば、ストレートのスピードも再度高まっていくだろう。勝つ投球ができるようになってきている。

 7回表、西川拓馬(3年)の適時打で1点を失ったのは反省点。二死まで投げ切ると、二死から最速145キロを計測する北村朋也(2年)が登板。この日は135キロ前後の速球で押して、試合終了。今日はボールの勢い、角度ある直球は見応えがあったが、打者1人だけではすべてが分からなかったので、別の機会で、しっかりとクローズアップしたい投手であった。東海大相模がコールド勝ちで、決勝進出を決めた。

 この日は東海大相模らしいアグレッシブさとスピード感があり、見応えある野球を見せていた。今年は何度か見ていて、もやもやしたものがあったが、この日はクリーンナップが当たっており、久しぶりに爽快な気分にさせる攻撃であった。そしてエース・小笠原慎之介を中2日で決勝戦で投入ができる。相手は横浜との因縁の対決になる。

 今年も総合力が高いチームを仕上げてきた横浜だけに大接戦が予想される。ただ守備のミスがやや目立つ横浜東海大相模は持ち味のアグレッシブベースボールで、プレッシャーをかけてかき回す野球が展開できるか。昨夏甲子園1回戦敗退と悔しい経験をして1年間を経て成長してきたナインたちの集大成を見せることができるか注目をしていきたい。

(文=河嶋宗一


関連記事
・第97回全国高等学校野球選手権大会特設ページ
・あの学校の取り組みは?!神奈川県の野球部訪問を一挙紹介!
・夏よりも熱い!全国の野球部に迫った人気企画 「僕らの熱い夏2015」

第97回全国高等学校野球選手権大会

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

関連記事

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.04.27

【京都】龍谷大平安、京都成章、北嵯峨などが2次戦進出戦に挑む<春季大会>

2024.04.27

横浜に入学した「スーパー1年生5人衆」に注目せよ! 佐々木朗希二世、中学日本代表の二刀流など明日の慶應戦で活躍なるか!?

2024.04.27

【大阪】3回戦は28日に大阪桐蔭、履正社が登場、29日には上宮-関西創価など<春季大会>

2024.04.27

【滋賀】シードの滋賀学園、彦根総合が登場<春季県大会>

2024.04.27

【春季千葉県大会】中央学院が逆転勝利でベスト8!15奪三振完封の好投手の攻略に成功

2024.04.23

【大学野球部24年度新入生一覧】甲子園のスター、ドラフト候補、プロを選ばなかった高校日本代表はどの大学に入った?

2024.04.23

【全国各地区春季大会組み合わせ一覧】新戦力が台頭するチームはどこだ!? 新基準バットの及ぼす影響は?

2024.04.24

春の埼玉大会は「逸材のショーケース」!ドラフト上位候補に挙がる大型遊撃手を擁する花咲徳栄、タレント揃いの浦和学院など県大会に出場する逸材たち!【春季埼玉大会注目選手リスト】

2024.04.22

【和歌山】智辯和歌山、田辺、和歌山東がベスト8入り<春季大会>

2024.04.22

【九州】神村学園、明豊のセンバツ組が勝利、佐賀北は春日に競り勝つ<春季地区大会>

2024.04.23

【大学野球部24年度新入生一覧】甲子園のスター、ドラフト候補、プロを選ばなかった高校日本代表はどの大学に入った?

2024.04.23

【全国各地区春季大会組み合わせ一覧】新戦力が台頭するチームはどこだ!? 新基準バットの及ぼす影響は?

2024.04.05

早稲田大にU-18日本代表3名が加入! 仙台育英、日大三、山梨学院、早大学院の主力や元プロの子息も!

2024.04.02

【東京】日大三、堀越がコールド発進、駒大高はサヨナラ勝ち<春季都大会>

2024.04.12

東大野球部の新入生に甲子園ベスト4左腕! 早実出身内野手は司法試験予備試験合格の秀才!