桐光学園vs戸塚

　7月22日の神奈川も快晴。だが球場付近はかなりの風が絶え間なく吹き付け、時折視界を奪われるほどだ。球場に詰めかけた多くの観客も、帽子を飛ばされないよう必死で手で押さえる。そんな中、サーティーフォー相模原球場では2試合が行われる。第1試合は、桐光学園対戸塚。
桐光学園は前の試合である4回戦、横須賀総合と対戦。8回終了時点まで劣勢だったが9回に3点を取って5対4で逆転勝利。
一方戸塚は3回戦、8対3で桐蔭学園を撃破。4回戦では金沢を10対0の5回コールドで下すなど、乗りに乗っている。

　桐光学園・中川 颯、戸塚・髙島 克哉で始まった試合。
初回、戸塚は一死二三塁のチャンスを作るが後が続かず無得点。2回にも得点圏に走者を進めるなど、じわじわと攻撃を続けていく。
そして3回表、戸塚は二死から3番・南部 健太がツーベースで出塁しチャンスを作る。続く4番・佐々木 諒顕がレフトへ弾き返し、南部は一気に本塁へ生還。戸塚が1点を先制する。

　一方の桐光学園も、その裏無死三塁のチャンスを作る。無得点に終わるが、こちらも徐々に圧力を強めていく。4回裏には5番・中川 颯のタイムリーで同点に追いつきさらにプレッシャーをかける。

　そして5回裏、一死一、二塁から1番・田中 幸城が放ったのは強烈なサードへのゴロ。戸塚サードが見事な横っ飛びでボールを止めるものの、セカンドへの送球が逸れ、その間に三塁走者が還り1点。2番・根本 郁也が死球を受け一死満塁とすると、3番・恩地 偉仁がレフト方向へ大きな飛球を飛ばす。打球は風に戻されレフト線ほぼライン上にぽとりと落ちるツーベースに。走者2人が還り、これで3点。さらに4番・大工原 壱成のセカンドゴロの間に1点を追加しこの回4点。5対1と勝ち越しに成功する。

　このままずるずると行きたくない戸塚は6回表、一死から3連打で満塁のチャンスを作り、ショートゴロの間に1点を返す。さらに7回表にも内野ゴロの間に1点を返し、桐光学園に食らいつく。

　だが桐光学園はその裏、二死一塁から4連打で4点を追加。戸塚をまたも引き離しにかかる。戸塚も8回、1点を返すも粘りもここまで。9対4で桐光学園が準々決勝進出を決めた。
10安打で9得点をした桐光学園に対し、戸塚は13と安打数は上回ったものの、決定力の部分で差が出た形だ。

（文＝青木有実子）

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