川越工vs深谷一
投打にうまく噛み合った川越工が、序盤の得点を守り切って快勝!
先発メンバーに1年生が4人も入っており、2年生も2人いる川越工。少ない部員でやりくりするためにやむなく起用としているというのではなく、上級生もいるという中で、メンバー入りしているということは、それだけの力があるということなのだろう。
その1年生たちがいきなり得点に絡んで、川越工は序盤に得点して、優位に試合を進めていった。 最初の守りを左腕のサイドハンド青柳君があっさりと3人で抑えた川越工、その裏に1年生の1番菊政君が三遊間をゴロで破って出塁すると、四球で一、二塁。バントは失敗したものの、四球もあって二死満塁となり、ここで6番の1年生・鈴木 丈君が左前打して二者が帰って、川越工が先制。
1回も四球と暴投で一死三塁としたところで、菊政君が三邪飛を打ち上げたのだが、それを深谷第一の坂本君が点灯しながら捕球したが、それを見て三塁走者の大川君が好判断でタッチアップでホームイン。大川君の1年生とは思えない、冷静な判断だった。大川君は、3回にも失策と四球で得た二死満塁のチャンスに左前打して二者を帰している。
さらに、4回にも一死二、三塁から、鈴木 丈君の内野ゴロの間に生還するのだが、こうして1年生が得点に絡んでいくケースが多かった。こういう活躍を目の当たりにすると、熊澤 光監督が、使わざるを得なかったということも分かるような気がする。
7回にも一死二塁から、菊政君の三塁打で追加点を挙げている。ただし、そのあとに、サインミスであろうが、飛び出して刺されているのだが、このあたりはリードしていたのでよかったのだが、1年生としては、試合を経験しながら緻密さを学んで行くということであろうか。それにしても、全7打点が1年生によるもので、そういう意味では今大会を通じての、川越工の伸びしろには大いに期待したいところである。そんな状況で、青柳君が左サイドの変則タイプでナチュラル気味のシュートと、スライダーが冴えて13奪三振という内容は評価されていいだろう。
深谷第一は身長158cmで58kgという小柄な岡本君が、制球に気を使いながらの投球だったのだが、序盤にボールが先行したのも痛かった。コースを狙いすぎたというところもあったのかもしれないが、それでもこれだけ小さくても、きちんと高校野球がやれるのだということを見せたことは、それほど体格に恵まれない選手たちには自信と勇気を与えたといってもいいだろう。また、コールドゲームを阻止すべく、7回に太田君と田尻君の下位の連続二塁打で1点を奪ったことも、その粘りは意地を示したといえるのではないだろうか。
(文=手束仁)
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