藤代vs下妻二
藤代が下妻二を7対1で下し2回戦進出！エース右腕・山崎誠が1失点完投
先発・齋藤雄基（下妻二）
春季茨城県大会1回戦・第2試合は、昨夏の覇者（試合レポート）で県南地区代表の藤代と県西地区代表の下妻二という甲子園出場経験校同士の屈指の好カードだ。
下妻二はなんと先発に背番号12の右腕・齋藤雄基（1年、桃山中、オール茨城）を持ってきた。一方、藤代の先発は背番号1の右腕・山崎誠（3年、流山ボーイズ）だ。
1回裏、藤代は一死から2番・織田航平（3年、取手シニア）が左中間二塁打で出塁するが、後続が打ち取られ無得点に終わる。
2回表、下妻二は先頭の4番・中川光輝（3年、大穂中）がライト前ヒットで出塁するが、盗塁でタッチアウトとなる。
2回裏、藤代は先頭の5番・立松峻（2年、柏シニア）がセンター前ヒットで出塁し、犠打で一死二塁のチャンスを迎える。しかし、7番・大久保誠士（3年、谷和原中）のピッチャーゴロを二走・立松峻が飛び出し、挟殺でタッチアウト。二死一塁から一走・大久保誠が盗塁を成功させて二死二塁とまたもやチャンスを迎えるが、8番・柳沙都史（3年、高崎中、県南選抜）はファーストファールフライに倒れる。
3回表、下妻二は一死から9番・松田侑大（3年、下妻中）がセンター前ヒットで出塁し、内野ゴロで二死二塁とするが、2番・中嶋聖（2年、石下中、オール茨城）は空振り三振に倒れる。
3回裏、試合が動く。藤代は先頭の9番・山崎が四球で出塁し、1番・浅野優雅（2年、柏四中）の送りバントがキャッチャーのフィルダースチョイスを誘い無死一、二塁となる。下妻二ベンチは、ここで2番手に背番号10の右腕・鈴木亮平（2年、守谷中）をマウンドへ送る。
4番・立松由宇（藤代）
その代わりばな、鈴木の牽制がボークとなり無死二、三塁とし、2番・織田のセカンドゴロの間に藤代が1点を先制する。続く3番・飯塚幸大（3年、野田二中）は四球で一死一、三塁とし、4番・立松由宇（2年、柏シニア）のセンター犠牲フライでさらに1点を追加。藤代がこの回ノーヒットで2点を先制する。
（下妻二0－2藤代）
4回表、下妻二は先頭の3番・塚越純也（3年、千代川中）が死球で出塁し、二盗・三盗で一死三塁とする。迎える5番・加園叶（3年、千代川中）のサード前ボテボテの当たりが内野安打となり、下妻二が1点を返す。
（下妻二1－2藤代）
4回裏、藤代は先頭の7番大久保誠がファーストのエラーで出塁すると、8番・柳は四球。9番・山崎は倒れて一死一、二塁から、1番・浅野のレフト前ヒットで一死満塁。2番・織田のサードゴロは本塁フォースアウトとなり二死満塁となる。続く3番・飯塚はフルカウントから押し出しの四球を選び藤代が1点を先制する。さらに二死満塁から、4番・立松由のセンター前タイムリーヒットで2点を追加。下妻二はここで3番手に右腕の廣瀬稜（3年、桃山中）をマウンドへ送る二死二、三塁から5番・立松峻のサードゴロはサードの悪送球となりさらに1点を追加する。
（下妻二1－6藤代）
6回裏、藤代は一死から2番・織田がライト前ヒットで出塁すると、3番・飯塚のセンターへ抜けようかという当たりはセカンドが止めるのが精一杯で記録はエラー。無死一、二塁とし、迎える4番・立松由のライト前ヒットで一死満塁。5番・立松峻のレフト犠牲フライで藤代がさらに1点を追加する。下妻二はここで4番手に背番号1の右腕・古谷祥汰（3年、石下中）を投入し6番・吉川をセカンドゴロに仕留める。
（下妻二1－7藤代）
エース・山崎誠（藤代）
7回表、下妻二は一死から5番・加園が死球で出塁し、6番・沼尻隼帝（2年、石下西中、県西選抜）のレフト前ヒット、8番・古谷は四球で二死満塁のチャンスを迎えるが、9番・松田はセカンドゴロに倒れる。
8回裏、藤代は二死から3番・飯塚がセカンドゴロ投内連携エラーで出塁し、牽制悪送球と四球で二死一、二塁。一打コールドのチャンスを迎えるが、5番・立松峻の捉えた打球はレフト・江崎の好プレーに阻まれる。
6点を追う下妻二だが、9回表も3人で終わり試合終了となる。
（下妻二1－7藤代）
1点差となりもつれる展開になるかと思われた4回裏、藤代は相手にもらったチャンスを確実にものにして突き放し、流れを一気に呼び込んだ。藤代の4番・立松由宇は5打席すべてでランナーを二塁に置いて回ってきたが、3打数2安打3打点1四球としっかり結果を残し、チャンスに強い打撃をみせた。
エース・山崎誠は序盤はスライダーの割合が多かったが、中盤以降は同じ打者に6球連続して130キロ越えのストレートを投じるなど、最速136キロのストレートでグイグイ押す投球をみせ、6回以降に浴びたヒットは1本のみ。奪三振数5に対してゴロアウトが15個と、打たせて取る投球が光った。
敗れた下妻二は失策3、与四球6と守りからリズムを作れず、打線も5回以降は7回以外を三者凡退に切って取られ、自慢の足を生かした攻撃を展開できず反撃の余地がなかった。
ただ、4番手にマウンドに上がった背番号1右腕・古谷祥汰は打者1巡を無安打、与四球1と結果を残し、藤代打線を相手に夏に自信を深める投球をみせた。
（文＝伊達 康）
