千葉南vs磯辺
7回までも2点ビハインドも、我慢して、我慢して、千葉南が逆転勝利!
先制し、盛り上がる磯辺ナイン
「実はこの試合、理想的な試合展開でした」
と振り返る千葉南の鈴木監督。序盤、千葉南は防戦一方の展開だった。3回表、1番荒屋の二塁打で出塁すると、二死三塁となって、4番田中のセーフティバント。投手の御園生が処理するが、間に合わず、磯辺が先制。さらに4回表、二死三塁から9番外山の適時打で1点を失い、5回まで0対2で折り返す。しかし冒頭で触れたように、この展開は鈴木監督にとっては理想的な展開だった。
「7回まで0対2ならば取り返せる点差。選手たちには我慢だぞと伝えていました。その展開通りに進んでいきましたね」
この試合に展開にしていたのは、力投を続ける御園生孝平(3年)の力投が大きい。167センチ72キロと上背はないが、分厚い下半身で支え、上体を強く振るフォームから投げる直球は、120キロ前半。だがなかなかの勢いがあり、磯辺の打者が空振りを繰り返し、三振の山を築く。
そして7回表、千葉南は、9番佐原が中前安打で出塁すると、鈴木監督の思惑通りの展開となってきた。そして御園生は終盤になってもストレートの勢いは衰えず、磯辺打線を抑え、延長戦に持ち込む。
14奪三振の力投を見せた御園生孝平(千葉南)
そして延長10回表、千葉南は、10回表、先頭の8番五味が右翼線へ二塁打を放つ。しかし9番佐原が犠打失敗で一死一塁となり、1番須田の左前安打、2番村山の死球で一死満塁となると、先ほど同点の犠飛を放った御園生が打席に立った。
御園生が直球を振り切り、中犠飛。勝ち越しに成功する。御園生は「自分は強い打球を打つことを心掛けていますが、今日はそれができなかった」と振り返るが、大事な場面で犠飛を放ってしっかりと仕事を果たした。投手としての能力はもちろんだが、分厚いから下半身を生かした打撃は、スイング自体は鋭く、捉える打球は千葉南打線の中では最も速い。中心打者が期待通りの活躍を示し、勝ち越した。
そして御園生は10回裏、走者を出すが、最後の打者を併殺に打ち取り、試合終了。千葉南が逆転勝利で代表決定戦に駒を進めた。鈴木監督は、「こういう試合展開をしたいと選手たちに話をしていましたが、しっかりと思い通りな試合展開で勝つことができて、ほめてあげたいです」と選手の戦いぶりを評価した。
試合序盤は磯辺のペースで、試合が進行したが、逆転するには、やはり僅差の展開に持ち込むことが大事と感じさせる試合だった。
(文=河嶋宗一)