試合レポート

東海大四vs宇部鴻城

2014.11.14

落ち着いた試合の入りが出来た東海大四、後半に得点重ねてコールド

先発の上西 嵐満君(宇部鴻城)

 11月も半ばになって、さすがに秋の気配も深まっており、気温も低くなってきている。まして、1日4試合の明治神宮大会、第1試合は8時30分からのプレーボールだ。朝早いだけに、立ち上がりの試合の入り方は特に大事になる。

 北海道の東海大四は、先発の大澤 志意也君が3番梅本大輝君には安打されたものの、まあスムーズな試合の入り方といっていいものだった。北海道に比べれば、東京の秋はまだまだ十分に過ごしやすいということもあったであろう。

 これに対して宇部鴻城上西 嵐満君は、2番打者として打席に入ってからのマウンドということになったが、先頭の冨田 勇輝君に対して2ナッシングと追い込んでいながら、中前打された。これで、ちょっと、「おやっ?」という気持ちになったのかもしれない。続く金村航成君、山本 浩平君に連続四球で無死満塁。一死後斎藤龍生君が中犠飛を放って1点を先制した。

 無死満塁で1点と捉えるか、無死満塁を無駄にしなくてよかったと考えるかで、この1点の捉え方が違ってくる。東海大四としては後者の考え方だったようだ。

 4回に宇部鴻城が失策で二塁まで進んだ走者を7番梅岡亮太君が帰して、同点としたものの、その裏すぐに東海大四は二死走者なしというところから満塁とし、押し出しで再びリードした。このあたりも、上西君としては、もう一つ自分のリズムに乗り切れなかったというところだろうか。

 それが5回に出た。この回の東海大四は、3番山本君が右前打で出ると、バント失策で一二塁となり、さらには斎藤龍君のバントが野選でまたしても無死満塁。一死後、失策で1点が入り、なおも押し出しと、9番大澤君の中犠飛と、その中継ボールがそれる間にもう一人帰ってこの回4点。失策も3個を記録した。

第45回記念明治神宮野球大会

完投勝利を挙げた大澤 志意也君(東海大四)

 6回にも東海大四は、二人目となった木場優大君を攻めて、死球と山本君の一塁手頭上を破る二塁打で二三塁とする。ここで、内野ゴロ失策で二者が還り、なおも無死三塁となり、斎藤龍君が左前打してこの回も3点を追加した。
これで、盤石のリードとなった東海大四は、大澤君が7回も安打はされたものの、併殺で切り抜けて0に抑えて、コールドゲームが成立した。

 10月上旬に地区大会が終了した東海大四は、試合間隔が開いていたが、今月8日に上京し、東海大系列校の国際武道大などに配慮してもらい、東海大望洋東京学館浦安などと試合を組んで実戦感覚を掴んだという。

「初回の守りが落ち着いていたので、何とかいけるかなという雰囲気はありました」と感じていたという大脇英徳監督。
「相手の失策で点が入ったという印象が強いですけれども、これも選手が走塁を意識して心がけていたからの結果だと思います」と、貰った得点というよりも、奪いに行ってもぎ取った得点だという意識だった。これは、先の国体で対戦した健大高崎の走塁が大いに刺激になったということもあったという(試合レポート)。

 中国地区大会は投手を中心とした守りで1~2点の失点で勝ち上がってきた宇部鴻城。しかし、この日はまさかの大量失点に尾崎公彦監督も反省しきりだった。

「記録上だけでも4つの失策で7四死球、これだけ乱れた試合は初めてですね。こうした大会で、きちんと気持ちをコントロールさせてあげられなかったということでした。すべてに甘かったということだと思います。(来春のセンバツに)出させて戴けるのであれば、次の舞台ではきちんとやれるように仕上げていきたいと思います」
春へ向けて、再整備という意識である。

(文=手束 仁)

第45回記念明治神宮野球大会

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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