川島vs高知商
「相手を読んだ」川島、5年ぶり秋季四国大会1勝!
高知商先発・清岡 龍弥(2年)
「試合でも左投手はよく打っていましたし、練習でもいいタイミングが取れていたので、試合の2日前に決めました」
清岡 龍弥(左投左打・2年・177センチ64キロ・馬路村立馬路中出身)、松下 海太(左投左打・2年・171センチ63キロ・四万十町立十川中出身)、髙橋 大(左投左打・1年・169センチ65キロ・高知市立愛宕中)の「最速130キロ超えサウスポートリオ」を擁する高知商に対し、川島・北谷 雄一監督が4番に送り込んだのは、徳島県大会では6番を中心に打っていた郷田 龍樹(一塁手・2年・右投右打・173センチ87キロ・吉野川立川島中出身)である。
清岡と川島・宮本 誠士(2年・投手・左投左打・178センチ73キロ)による投手戦で試合中盤までは推移した。清岡は内角低めへ強気にストレートを投げ込み、5回を1安打6奪三振。
一方、宮本も「2年前のエース・佐藤 大誠(現:関西学院大2年・2014年秋季関西学生野球リーグで3勝0敗・防御率1.33)さんや、昨年のエースの上田 優介(現:福井工業大2年・2014年秋北陸大学野球リーグ1部投手部門ベストナイン獲得)に憧れている」気持ちを、ストレート・カーブ・チェンジアップばかりでなく打者のタイミングをあらゆる手段で外す「術」で表現。5回まで2安打4奪三振の好投を演じた。
そして6回裏、試合を動かしたのは、川島の4番打者である。「予定の継投」(高知商・正木 陽監督)でこの回から2番手マウンドに上がった松下に対し、一死一、二塁のチャンスで打席に立った郷田は、2ボールからのファーストストライクを逃さずセンターオーバーの勝ち越し2点二塁打。
続く8回裏にも、無死三塁の追加機に、故障明けながら右サイドハンドから130キロ超えのスピードを見せた高知商エース・福宮 大樹(2年・右投右打・172センチ70キロ・高知市立城西中出身)に対峙しても動ぜず、センターに犠牲フライを打ち上げ、3打点を稼いだ郷田。「福宮くんが来ることも予想はしていた」相手を読んだ北谷 雄一監督の采配に応える強打は、翌年21世紀枠出場につないだ2009年・高松(香川)戦以来、5年ぶり秋季四国大会初戦突破を決める原動力となった。
(文=寺下 友徳)