神村学園vs樟南
長打2発で難敵退ける・神村学園
バックスクリーンに特大本塁打を放った山本(神村学園)
主砲・山本卓弥(2年)の2本の長打が口火になり、神村学園が難敵・樟南を退けた。
今大会はここまで当たっていなかったが、山本は樟南と当たる4回戦を「ここがヤマ場だと思っていたから、自分が決めたい」と照準を合わせていた。
2回の先頭打者。3つの外角変化球で1ボール2ストライクと追い込まれたが、樟南の1年生エース畠中優大の「勝負球は直球が多いのは分かっていた」。4球目、真ん中外寄りの直球を逃さず仕留める。大きな放物線を描いて左中間最深部に届く三塁打。5番・松元健太(2年)の犠牲フライで先制のホームを踏んだ。
6回裏、再び先頭打者で回ってきた打席では、1ボールからの2球目、シュート回転で内側に入ってくる直球に振り負けず、バックスクリーンに大アーチを描いた。これで打線が奮起し、この回4点を奪って主導権を握った。
「ライトスタンドのホームランは誰でも打てるけど、バックスクリーンに打ったことがすごい」と小田大介監督も絶賛の一打だった。
打撃フォームを1本足からすり足に変えたことで「下半身の力がうまく使えるようになった」と山本。8月の南薩地区大会でライバル鹿児島城西に敗れてシード権を逃し、今大会はノーシードからの勝ち上がりだったが、3月のセンバツでも本塁打を放った4番がここへきて復調し、頂点奪取へギアを上げてきた。
(文=政 純一郎)