中越vs日本文理
日本文理を撃破!中越5年ぶりの栄冠
決勝戦の様子
新チーム初の公式戦で新潟県の王者を決める秋季大会決勝。目下新潟県下公式戦30連勝中の日本文理が迎え撃つのは、新潟私学の雄として新潟県の高校野球をけん引してきた中越。試合は決勝戦にふさわしい好ゲームとなった。
日本文理の先発はこれまで主にリリーフで好投を見せてきた背番号1・八幡 竜(2年)。
その立ち上がり、中越2番・井口(2年)に四球を許すと、3番・小林 史弥(2年)、3番・齋藤 颯(2年)の連続ヒットで一死満塁。5番・波方(2年)の犠飛で1点を先制する。
その裏、日本文理は中越先発の上村(2年)を攻め、先頭の星 兼太(2年)がヒットで出塁すると犠打でランナーを進め、3番・多賀(2年)のタイムリーツーベースで同点に追いつく。なおも続くチャンスで6番・山本(2年)がセンター前に運び、逆転に成功。
だが中越も黙っていない。直後の二回、中越先頭の小林弘(2年)がレフトへスリーベースを放ち、チャンスメークすると8番・上村のタイムリーで同点に追い付く。
中越に軍配!試合後整列
三回にも、4番・齋藤のヒットから送りバントなどで二死二塁のチャンスを迎える。ここで、7番・小林弘がセンター前に運び。中越が1点を勝ち越す。
中越先発の上村は、130キロ前後のストレートを中心に低めに集め。日本文理打線にランナーは許すものの、得点を許さない。一方、日本文理・八幡は、五回にも中越5番・波方(2年)にこの日2本目の犠飛を許し、2対4とリードを広げられる。
その後は、上村、八幡の力投で、お互いランナーを出すものの得点できず、スコアボードに0が並ぶ。膠着した状態のまま迎えた八回、中越はここまでに2安打の小林弘がレフトスタンドへ運び、本塁打で1点を追加。
投げては連投となる上村が、最終回も三者凡退に抑え5対2で中越が勝利。日本文理は、八幡が13奪三振と力投したが、打線が採算に渡るチャンスを生かせず、県内連勝記録は30でストップした。
コメント 中越・本田仁哉監督の優勝インタビュー
「優勝して次のステージに行くことが大きな目標だったので、それが叶ってうれしい。うまく先制できたが、その裏にすぐに逆転されて、厳しいなと思った。でもその直後に1点を返し、3点目も取れて攻撃に厚みが出てきたと思う。小林弘の八回の本塁打は、重い1点でした。文理さんが逆転する場面を何度も見てきましたし、もう1点ほしいと思っていたので大きかったですね。上村は普段通りの投球ができたことを評価したいですね。センバツのためにやってきているので、さらに鍛えてレベルアップしたいですね。甲子園の舞台に立って、中越のグレーのユニフォームをもう一度輝かせたいと思います」
エキサイティングプレイヤー 星 兼太(日本文理・2年・右翼手)
3点ビハインドの最終回、一死ランナーなしで打席が回ってきた。これまで、日本文理は土壇場に追い詰められながら、試合終盤で驚異的な集中力を見せ、逆転で勝ち進んできた。逆転を信じる文理ナインは最後まで諦めなかった。だが、星の放った打球はセカンド・井口の攻守に阻まれ、二死。中越・上村の熱投の前に遂に敗れた。
「うちも相手もヒットが8本。でも5対2という点差がついたのは、うちがチャンスをものに出来なかったから。もっと得点圏で打てないと…」
こう振り返るのはチームの主軸として、夏の甲子園でも大活躍した星。だが、ベスト4まで勝ち進んだ甲子園から戻り、新チーム結成後、対外試合2試合をこなして公式戦という強行日程。星は大会序盤3番に入ったが、周りの厳しいマークもあり、思うようなバッティングが出来なかった。チームが勝ち進み準々決勝から、旧チームでの定位置でもある1番に戻ると、リードオフマンとしてその能力を発揮した。だが、星はこう振り返る。
「今大会は、調子の波が激しかった。打順が替わっても、その役割でもこなせるようにならないと…。どんな時でも精神状態を保って調子の波をなくすことが課題です」
敗戦後のショックからか、口数少なく語る星。だがその言葉は悔しさをしっかりと受け止め、次の大会での活躍を自らに課するかのように、言葉を発した。
「北信越大会は、春のセンバツにつながる大事な試合。(センバツ推薦が有力視される)上位2校に入らなければなりません。約2~3週間ありますので、しっかり、チーム力を高めて臨みたいと思います」
(文=編集部)