山形中央vs新庄北
初公式戦で山形中央が勝利
マウンドに集まる新庄北ナイン
山形は夏の甲子園出場校が秋の地区予選免除となる。そのため、山形中央にとっては新チーム初の公式戦だった。
山形中央は2回、四球と失策の後、7番・大泉佑介の右安で先制すると、8番・鈴木一朗の中犠飛、9番・西尾大河のタイムリーで一気に3点を奪った。
さらに3回、2死から4番・青木陸が高校通算30号となるソロ本塁打と6番・押野浪漫のタイムリーで2得点。
その後も安打、得点を重ねて7回コールド勝ちを収めた。
記者から「甲子園後、初の公式戦でコールド勝ちですが」と聞かれた山形中央・庄司秀幸監督は「まったく、そんな感じはしないですね。未熟にさせているのは監督」と厳しかった。
攻撃面でのつながりを課題に挙げ、「大雑把。こういう試合になってしまう練習だったということです」。選手起用も手探り状態。20人中、15人が出場した。
山形中央・佐藤
ピッチャーは、先発・西尾の後を、石川貴大、荒沢郁野、佐藤遼亮と4人でリレー登板した。
「まだ、どう戦っていいのか分からない」と庄司監督。
夏の経験もある佐藤は、9月上旬の練習試合で左ヒジに死球を受け、投球練習を再開したのは3日前だったという。7回に1イニングだけ登板し、甲子園で記録した自己最速の143キロをマークするなど、140キロ台を連発した。
庄司監督は「力で抑えようとする。何のために行ったのか、分かっていない」と注文。「何のために行ったんですか?」と尋ねると「それは、考えさせます」とエースへ“宿題”を出した。
今月、練習に伺った際、庄司監督は「地区予選はあった方がいい」と話していた。甲子園出場チームも、秋の地区予選で公式戦を戦った方がいいと。
東北地方では、宮城県、岩手県、秋田県は地区予選から戦うが、青森県、福島県とともに山形県は地区予選免除で県大会に出場できる。世代交代したばかりの甲子園出場校の新チームは、7月からチーム作りをし、ハードな地区予選を勝ち抜いてきたチームと対戦することになる。
賛否両論だろうが、公式戦が重要なことは確かだ。「練習試合では分からないことが見えました」と庄司監督。公式戦のベンチから見えた景色が山形中央をさらに強くするだろう。
(文=高橋昌江)